電験1種2次試験出題傾向
電験1種「二次試験」の出題傾向をまとめています。出題傾向から、おススメの学習優先順や重点学習分野を解説します。
電験2次試験受験時の注意(1種2種共通)も読んでみてください。
目次
電力管理出題傾向
平成21年以降(2009年以降)の過去問から集計。それぞれ対応する過去問へリンクしています。
年度別出題分野一覧(電力管理)
問1~6の中から任意の4問を解答 各30点
[括弧]内は出題分野(表下の注釈参照)
★付きは主に論説のみの問題、★無しは主に計算問題
(括弧)内の数字は難易度(5段階:1易→5難)
年度別出題詳細(電力管理)
R5年度電力管理
R4年度電力管理
- [般]★発電機進相運転(2)
- [送] 四端子定数π形回路(3)
- [変] 変圧器効率運転条件(3)
- [送]★動揺方程式と過渡安定性(3)
- [施]★変圧器絶縁劣化試験(4)
- [配] 単相変圧器V結線(3)
R3年度電力管理
- [水]★キャビテーション(2)
- [変]★保護リレーの誤動作防止(3)
- [送] 電力潮流ニュートン・ラフソン法(5)
- [変] 並行変圧器循環電流(3)
- [送]★がいし避雷器(3)
- [施] コンデンサ位置での高調波電流影響(2)
R2年度電力管理
- [般]★所内単独運転(3)
- [送] 送電線リアクタンスと送電電力(4)
- [送]★PV曲線タップ逆動作現象(3)
- [送] 地絡距離Ry動作域(2)
- [送] 地絡短絡電流計算(2)
- [送]★がいし塩害管理と対策(2)
R1年度電力管理
H30年度電力管理
- [火]★ボイラタービン効率影響要素(3)
- [施]★事故波及防止リレーシステム(3)
- [変] 計器用変圧器過渡現象(5)
- [送] 簡易法による潮流計算(2)
- [送] 事故時受電端電圧(4)
- [施] 接地抵抗測定法と変圧器絶縁性能試験(5)
H29年度電力管理
- [水] 水車発電機の速度調定率(1)
- [施]★油入変圧器の内部絶縁材料(2)
- [変]★ブスタイ分離Ry,距離Ry,後備保護概要(2)
- [送] 高速再閉路、発電機軸ねじれ挙動(5)
- [変]★無効電力補償装置(2)
- [施]★発電所・電力系統の電力損失(2)
H28年度電力管理
- [火]★コンバインドサイクル発電の方式と特徴(4)
- [送] 四端子定数、T形等価回路、送電端無効電力計算(3)
- [発] 同期発電機送電端電力導出、過励磁制限機能動作(4)
- [送]★架空送電線の絶縁設計、内部異常電圧(3)
- [施]★電線路の絶縁性能試験方法(2)
- [施]連系潮流比例定数と周波数低下量計算(2)
H27年度電力管理
- [水] 水車の比速度の導出(3)
- [施]★電力流通設備の絶縁協調(3)
- [送] 変圧器タップによる電圧不安定現象定量説明(4)
- [施]★高調波・フリッカ現象の対策(2)
- [送]★電力設備の保護リレーの役割(2)
- [施] ガバナ特性と系統周波数計算(1)
H26年度電力管理
- [火] 燃料の完全燃焼に必要な空気量(2)
- [変]★大容量GISの異常診断方法(2)
- [送] 対称座標法、1線断線故障相電圧(4)
- [施]★事故波及防止リレーシステム(3)
- [配] 配電線路の電力損失、コンデンサによる損失補償(4)
- [施]★電磁障害の防止と電磁両立性(3)
H25年度電力管理
- [水] 河川流況曲線、年間発電電力量、年間設備利用率(2)
- [送] 距離リレー測定インピーダンス、動作判定(3)
- [変]★遮断器の定格、SLF遮断、電力相差角曲線の定性説明(3)
- [送] π形等価回路、調相設備容量計算(4)
- [送] 送電線たるみ計算、上部造営材の規定(3)
- [送]★送電系統の構成と特徴(2)
H24年度電力管理
- [火] 再生サイクルエンタルピーと抽気量(3)
- [変] 変電所周辺の磁束密度(2)
- [送] 対象座標法、一線地絡事故電流計算と導出(4)
- [施]★大容量変電機器の信頼性確保(3)
- [施]★直流連系の特徴と運用例(2)
- [施] 連系系統の電力不足確立(3)
H23年度電力管理
- [水] ランナに働くトルクと出力、効率計算(4)
- [火]★コンバインドサイクル発電の特徴(2)
- [変] 三次調相設備による二次電圧値の違い(2)
- [変]★低圧制御回路の絶縁設計、サージ対策(3)
- [送] 保護装置信頼度による供給支障確率(3)
- [配]★OFケーブル異常診断法と事故点測定法(3)
H22年度電力管理
- [般]★発電機の自己励磁現象(2)
- [変]★代表的な調相設備の特徴(2)
- [送] 地絡方向リレー、動作範囲計算(2)
- [変]★電力系統との協調、変圧器・遮断器特徴(3)
- [施]★負荷周波数制御方式の特徴(4)
- [送] 系統及び負荷特性による負荷端電力計算(2)
H21年度電力管理
- [般]★タービン発電機の逆相電流影響と制限値(3)
- [変]★地下変電所設計時の留意点(1)
- [送] 架空地線への雷撃、鉄塔部電圧値、がいしへの最大電圧(4)
- [送] 対象座標法、2相短絡条件導出、短絡電流計算、距離リレー動作判定(5)
- [送] 発電所の連系、連系点電圧導出、連系力率による影響(3)
- [施]★供給力の分類と供給予備力(2)
機械制御出題傾向
平成21年以降(2009年以降)の過去問から集計。それぞれ対応する過去問へリンクしています。
年度別出題分野一覧(機械制御)
問1~4の中から任意の2問を解答 各30点
[括弧]内は出題分野(表下の注釈参照)★は論説のみ(計算なし)の問題
(括弧)内の数字は難易度(5段階:1易→5難)※主観含みます
年度別出題詳細(機械制御)
R5年度機械制御
R4年度機械制御
R3年度機械制御
R2年度機械制御
R1年度機械制御
H30年度機械制御
H29年度機械制御
- [誘]かご形誘導電動機、最大トルク導出(3)
- [変]V結線、各種負荷の電力計算(4)
- [パ]3レベルインバータ動作、作図、クランプダイオードの役割(5)
- [自]古典制御、閉ループ制御系、根軌跡法(5)
H28年度機械制御
- [誘]巻線形誘導電動機、各種二次抵抗、二次励磁電源(4)
- [同]円筒形電動機、巻線抵抗考慮時のトルク導出、定量的脱調判定(5)
- [パ]12パルスサイリスタブリッジ整流器、ひずみ率(5)
- [自]現代制御、フィードバック制御系、係数ベクトル安定条件(4)
H27年度機械制御
- [誘]かご形誘導電動機、トルク比例推移、各種計算(5)
- [同]円筒形発電機、電力導出、各種計算(2)
- [パ]直交電力変換、単相整流回路、動作説明図(5)
- [自]現代制御、フィードバック制御系の解析(2)
H26年度機械制御
H25年度機械制御
- [誘]三相誘導電動機のトルク(2)
- [同]円筒形発電機、並列運転、無負荷起電力、同期化位相(3)
- [パ]3相ブリッジ、転流時出力電圧、力率計算(4)
- [自]現代制御、古典制御、フィードバック制御系解析(4)
H24年度機械制御
- [誘]巻線形誘導電動機、単位法、比例推移(4)
- [変]電圧変動率、近似式の導出(5)
- [パ]三相電圧形インバータ、三角波比較PWM、変調率(4)
- [自]古典制御、フィードバック制御解析、サーボモデル(4)
H23年度機械制御
- [誘]巻線形電動機、二次励磁電源接続時の同期ワット(4)
- [同]円筒形発電機、電圧変動率、出力導出(2)
- [パ]三相ブリッジ整流回路、各種実効値、総合力率(3)
- [自]古典制御、フィードバック制御(4)
H22年度機械制御
- [誘]誘導電動機拘束試験、始動周波数電圧計算(3)
- [変]★単相変圧器、V結線利用率、V結線のメリット(2)
- [パ]各種単相全波整流、波形作図、動作説明(4)
- [自]現代制御、特性方程式、定常偏差(4)
H21年度機械制御
- [誘]単相電動機、等価回路、単位法、同期ワット(4)
- [同]回転軸系運動方程式、蓄積エネルギー、単位慣性定数(3)
- [パ]三相インバータ、三角波搬送波周波数の説明、波形作図(3)
- [自]古典制御、フィードバック制御(3)
おススメの学習方法
結論から言って、一種二次試験の対策に近道なし。地道に過去問を解きこむのが王道かと思います。自分の得意苦手をしっかり把握して、効率よい学習時間配分をする必要があります。
電力管理の学習法
問1でみると、「水力」「火力」が隔年で繰り返し出題されるようです。例外もありますが、今年はこれという分野に山をはってみるのも悪くない確率です。
分野でみると、「送電」「変電所」「施設管理」はほぼ必ず出題されるようです。しかし、内容は年によってかなり異なるので、過去問を解きこんで、類題傾向が高い計算問題は必ず解けるようにする必要があります。
「送電」分野からは必ず1題以上は計算問題が出題されるので、この分野の計算力アップは必須です。
論説は専門性が高くなりますが、中には既往類題のような内容の問題も少なくないので、そのような問題を必ず記述できるように訓練しておく必要があります。
機械制御の学習法
問3および問4では「パワエレ」と「自動制御」が必ず出題されます。個人個人によるところですが、パワエレは出題傾向を絞るのが難しく、幅広い知識習得が必要なので、選択難易度が高いと思いますから、「自動制御」を重点に学習するのが効率がよいとおもいます。
その他では、「同期機」はほぼ毎回出題されているので、必修(重点)分野となります。
問1と問2は出題分野が絞られていないため、「同期機」「変圧器」「誘導機」をムラなく学習するのが良いと思います。このあたりは電力管理の学習とも関連をもたせて学習するのが効率がよいです。
中でも、「同期機」はほぼ毎回出題されているので、必修(重点)分野となります。続いて「誘導機」>「変圧器」の順に出題率が高く、変圧器が連続出題される可能性は低いようです。
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