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電験1種過去問【2015年電力管理 問1】

2024年8月18日

【水力発電】水車の比速度の導出《計算問題》

 ランナの直径 D₁ が 0.4 m のフランシス水車で、有効落差 H₁ が 1m のとき、水車出力 P₁ が 1 kW、使用水量 Q₁ が 0.121 m³/s、回転数 N₁ 149.5 rpm のモデル水車(以下水車 A と呼ぶ。)がある。
 この水車 A と相似な水車(以下水車 B と呼ぶ。)を、有効落差 H₂ が 121m のとき、使用水量 Q₂ が 10 m³/s の条件の場所に設置したい。次の問に答えよ。
 ただし、水車効率 η [%] は水車 A、水車 B で同一とし、水車 B のランナの直径を D₂ [m] 、相似比を k (k=\(\frac{D_2}{D_1}\)) とする。また、重力加速度 g は 9.8 m/s² 、水の密度 ρ は 1 000 kg/m³ とする。
(1)水車 B の出力 P₂ [kW] を求めよ。
(2)水車 B の使用水量 Q₂ [m³/s] を Q₁ , H₁ , H₂ 及び k を用いて表せ。
(3)水車 B の出力 P₂ [kW] を P₁ , H₁ , H₂ 及び k を用いて表せ。
(4)水車 B のランナ直径 D₂ [m] を求めよ。
(5)水車 B の回転数 N₂ [rpm] を N₁ , H₁ , H₂ , P₁ 及び P₂ を用いて表し、その値を求めよ。

解答と解説はこちら

解答

公式標準解答

(1) 水車出力 P は,理論出力×水車効率で求められ,今,水車 A 及び水車 B の水車効率は同一であることから,

(2) 水車使用水量は,流速×ランナ入口断面積で表され,流速は各有効落差の\(\frac{1}{2}\)乗に比例し,水車 A 及び水車 B のランナ入口断面積比は相似比の 2 乗であるため,

(3) 水車出力は理論水力×水車効率で表されるため,水車 A 及び水車 B の水車出力比は,

 上記(2)の結果を代入すると,

(4) 上記(1)及び(3)から k を求めると,

(5) 回転数は,ランナ周辺速度(= 流速)をランナ円周で除したものであるため,水車 A 及び水車 B の回転速度比は,

解説

(2)Q₁=v₁A₁=\(\sqrt{2gH_1}\left(\frac{D_1}{2}\right)^2π\)
   Q₂=v₂A₂=\(\sqrt{2gH_2}\left(\frac{D_2}{2}\right)^2π\)

 水車の比速度の導出に関する問題です。一種らしい問題です。公式を暗記していれば、検算可能かと思います。類題を望みたい問題です。

難易度3(★★★☆☆)

追加学習は水力発電の学習帳

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