解答
公式標準解答
- 送電線保護に用いられる電流差動リレーが、外部事故時の大電流により誤動作するおそれがある理由と、その防止策。
- 送電線の外部事故発生時において、故障電流が大電流になると、CTにも大きな電流が流れるため比例分誤差が大きくなる。特にCTの鉄心飽和に伴い電流値の誤差が大きくなると、端子間に不要な差電流が生じて電流差動リレーが誤動作するおそれがある。対策として、電流差動リレーの比率特性を小電流域特性と大電流域特性の二つの要素から構成し、大電流域において誤差が大きくなったときに動作感度を低下させることにより、誤動作を防止する。
- 変圧器保護に用いられる比率差動リレーが、変圧器の励磁突入電流により誤動作するおそれがある理由と、その防止策。
- 変圧器を停止したときに変圧器鉄心に残留磁束が残った状態で、次に変圧器を充電すると、系統電圧の位相によっては大きな励磁突入電流が発生するため差動回路に大きな差電流が発生し、比率差動リレーが誤動作するおそれがある。対策として、励磁突入電流には第二高調波が多く含まれることから、これを検出した場合は差動リレーの抑制量を増やしたり、リレーを短時間ロックすることにより、誤動作を防止する。
- 母線保護に用いられる電流差動リレーが、外部至近端事故により誤動作するおそれがある理由と、その防止策。
- 母線の外部至近端の回線で事故が発生した場合、事故回線のCT一次側に大きな故障電流が流れる。この際、交流電流に過渡直流分が重畳するためCT鉄心に磁気飽和が発生し誤差が生じる。一方、事故回線以外の変流器は飽和せず誤差も生じないため、母線保護リレーが不要な差電流を検出し誤動作するおそれがある。対策として、事故回線のCTの非飽和期間に差電流の無変化を検出した場合は外部事故と判定して、リレーを短時間ロックすることにより、誤動作を防止する。
解説
母線の保護継電方式(電流差動方式)
母線に流入する線電流の総和と、母線から流出する線電流の総和を変流器によって差動的に接続し、その差動回路に継電器を設けた方式。母線の内部故障時には、差動電流が流れて動作し保護する。
保護リレーの誤動作およびその防止に関する問題で、過去の類題もあり解答しやすい問題です。確実に得点源としたいところです。
難易度3(★★★☆☆)
追加学習は変電所の学習帳、保護リレーで
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