解答
公式標準解答
- 次の三つに区分された供給力について、それぞれ➀日負荷曲線上の分担とその役割、及び➁対応する電源種別について述べよ。ただし、水力発電所については、発電方式(水の使用方法による分類)別に示すこと。また、火力発電所については、運用における技術的特性の概要を示すこと。
a. ベース供給力
➀日負荷曲線上の分担とその役割
1日の変動する需要のうち、ほぼ一定のベース部分を分担し、長時間安定的に発電する。
➁対応する電源種別
流れ込み式水力発電所、地熱発電所、原子力発電所及び高効率の火力発電所が充てられる。
b. ミドル供給力
➀日負荷曲線上の分担とその役割
ベース需要とピーク需要の中間部分を分担し、需要の日間変化に応じて、日間起動停止を行うとともに出力調整運転を行う。
➁対応する電源種別
ベース火力より熱効率が多少劣っても、毎日の起動停止の容易な火力発電所が充てられる。
c. ピーク供給力
➀日負荷曲線上の分担とその役割
1日の変動する需要のうち、需要が最も大きくなるピーク部分を分担し、急激な出力変化や負荷変動に対応する。
➁対応する電源種別
急激な出力変化能力を有する水力発電所のうち、調整池式及び貯水池式の一般水力発電所と揚水式水力発電所が充てられる。また、水力発電所以外では、ベース火力やミドル火力よりも熱効率が劣っても始動時間が短く負荷追従性のよい火力発電所が充てられる。
- 次の三つの供給予備力について、➀それぞれを必要とする対象要因、➁予備力を発揮するまでの時間特性、及び➂対応する発電所について述べよ。
d. 待機予備力
➀必要とする対象要因
需要想定値に対する持続的増加、水力の渇水、停止までに相当の時間的余裕のある電源に対応する。
➁予備力を発揮するまでの時間特性
始動から最大出力まで数時間かかる。
➂対応する発電所
必要な出力到達後は長時間運転継続できる停止待機中の火力発電所が対応する。
e. 運転予備力
➀必要とする対象要因
天候急変などによる需要の急増や電源を即時又は短時間内に停止・出力抑制しなければならない場合に対応する。
➁予備力を発揮するまでの時間特性
10分程度以内の短時間で供給力増加が可能である。
➂対応する発電所
待機予備力が発電するまでの間、継続して運転できる部分負荷運転中の発電所が対応する。
f. 瞬動予備力
➀必要とする対象要因
電源脱落時の大きな周波数低下に対して、即座に出力増加しなければならない場合に対応する。
➁予備力を発揮するまでの時間特性
運転予備力の一部であるが10秒程度以内で対応する。
➂対応する発電所
運転予備力が発電するまでの間継続して運転できるガバナフリー運転の発電所が対応する。
解説
供給力・供給予備力に関する問題です。類題は多いです。一種受験者であれば、易しい内容ですが、標準解答のような必要事項をしっかり記述できることが大切です。
難易度2(★★☆☆☆)
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