解答
公式標準解答
- 送電線に使用されている懸垂がいしについて、送電線が課電された状態で、不良がいしを検出する方法に関し、異なる測定項目を二つ挙げ、それぞれについて具体的な検出方法について答えよ。ただし、目視点検は除くものとする。
- 以下の中から二つ記載されていればよい。なお、検出方法は具体的な方法又は検出方式名のどちらかが記載されていればよい。
- 測定項目:各がいしの分担電圧
- 検出方法:分担電圧を測定し、その低下を検出する方法。その方式にはネオン管(ネオンランプ)式、音響(ギャップ)式、音響パルス式、自走式、光パルス式などがある。
- 測定項目:各がいしの絶縁抵抗値
- 検出方法:静電容量の大きなコンデンサをがいしに並列に接続し、がいしの交流分担電圧を零にしてから、直流電圧を印加して絶縁抵抗値を測定し、その低下を検出する方法で、主に275kV・500kVに用いられる。その方式には自走式不良がいし検出器を用いる方式がある。
- 測定項目:各がいしからの漏れ電流
- 検出方法:漏れ電流を測定し、送電線からの漏れ電流に対する比率から不良がいしを検出する方法で主に33kV以下に用いられる。その方式にはKD式がある。
- 測定項目:がいし近傍の電界
- 検出方法:電界を測定し、その変化から不良がいしを検出する方法。その方式には電界測定式不良がいし検出器、MG管式不良がいし検出器などをもちいる方式がある。
- 測定項目:各がいしの振動周波数
- 検出方法:音波を発信してがいしを振動させた状態でこれを用いて振動周波数を測定し、その低下から不良がいしを検出する方法。その方式にはドップラー振動計を用いる方式がある。
- 近年、抵抗接地系の送電線にギャップ付送電用避雷装置が広く設置されてきている。
- 図1に示す酸化亜鉛型の避雷要素部と直列ギャップから構成される77kV用ギャップ付送電用避雷器装置のⒶとⒷが、図2の77kV送電線の➀~④の通常どこに接続されるか理由を含めて答えよ。
- Ⓐ:➃、Ⓑ:➀
- 理由:質量のある避雷要素部を常時無課電で安定的に取り付けるため
- 落雷による送電線トリップを極力防止するために設置される、この装置の作動メカニズムを答えよ。
- 雷サージ過電圧の侵入時にギャップ付送電用避雷装置の気中ギャップがフラッシオーバして放電電流が流れた後、系統電圧による電流(続流)を避雷要素部の酸化亜鉛素子の特性により非常に小さく抑えて、ほとんど半サイクル以内に気中ギャップで消弧することにより、送電線トリップを防止する。
解説
がいしについて知識を問う問題で、過去の類題も多いです。ギャップ付送電用避雷装置について解答できるか否かが本問を選択するかどうかの分かれ目になると思います。
難易度3(★★★☆☆)
追加学習は送電の学習帳で
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