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電気回路の学習帳

2024年5月1日

電気回路の学習

電気回路について、基本的な知識をできるだけわかりやすくまとめていきます。

目次

  1. オームの法則
  2. 交流回路
  3. 共振回路
  4. 過渡現象
  5. 三相交流回路
  6. Δ-Y回路変換

電気抵抗

物質の抵抗値R[Ω]は、抵抗率ρ[Ω・m]、物質の長さl[m]とその断面積をS[m2]とすると、

\(\displaystyle R=\rho\frac{l}{S}\)[Ω]

抵抗率は鉄(ρ=8.90×10-8Ω・m)
アルミニウム(ρ=2.50×10-8Ω・m)
銀(ρ=1.47×10-8Ω・m)
銅(ρ=1.55×10-8Ω・m)
※電験過去問題出題値

オームの法則

上図回路の、抵抗値R[Ω]の抵抗に、電圧V[V]が与えられたとき、流れる電流I[A]との関係は、

オームの法則 \(\displaystyle V=IR\)

直列回路

下図にように、抵抗が回路上に一直線に並ぶように接続される回路を、直列回路という。

直列回路の各抵抗に流れる電流は電源に流れる電流と等しい。

直列回路の電流 \(\displaystyle I=I_1=I_2=…=I_n\)

直列回路の各抵抗の電圧の合計は電源電圧と等しい。

直列回路の電圧 \(\displaystyle V=V_1+V_2+…+V_n\)

直列回路の合成抵抗は、各抵抗の和となる。

直列回路の合成抵抗 \(\displaystyle R=R_1+R_2+…+R_n\)

並列回路

下図のように抵抗が回路上で分岐して接続される回路を、並列回路という。

並列回路の各抵抗に流れる電流の合計は、電源に流れる電流と等しい。

並列回路の電流 \(\displaystyle I=I_1+I_2+…+I_n\)

並列回路の各抵抗にかかる電圧は電源電圧と等しい。

並列回路の電圧 \(\displaystyle V=V_1=V_2=…=V_n\)

並列回路の合成抵抗の逆数は、各抵抗の逆数和となる。

並列回路の合成抵抗 \(\displaystyle \frac{1}{R}=\frac{1}{R_1}+\frac{1}{R_2}+…+\frac{1}{R_n}\)

二つの抵抗の並列回路の合成抵抗Rは、各抵抗をそれぞれ\(\displaystyle R_1\)及び\(\displaystyle R_2\)とすると、

二つの抵抗のみの並列合成抵抗 \(\displaystyle R=\frac{R_1R_2}{R_1+R_2}\)

コンデンサの合成静電容量

並列に接続した二つのコンデンサC₁、C₂を一つのコンデンサに置き換えて考えると、合成静電容量はC₁、C₂の静電容量の和である。

抵抗値の温度変化

t₁[℃]における抵抗値がR₁[Ω]、抵抗温度係数がα[℃⁻¹]の抵抗器Aがある。t₂[℃]における抵抗値R₂[Ω]とするとその変化は、

R₂={(1+α(t₂-t₁)}R₁[Ω]

変化率は (R₂-R₁)/R₂で表す。

抵抗の消費電力

可変抵抗R[Ω]で消費される電力P[W]は

\(\displaystyle P=IR=I^2R=\frac{V^2}{R}\)[W]

ジュールの法則

ジュールの法則は、Q=I²Rt[J]で与えられる。(Qは生み出される熱量、Iは電流[A]、Rは電気抵抗[Ω]、tは電流が流れる時間[s])したがって、「電流の値の2乗と導体の抵抗に比例する」

重ね合わせの理

ある直流回路において、重ね合わせの理を用いて抵抗RXを流れる電流Iについて解析する。
重ね合わせの理は、線形回路において成立する定理である。ある回路において、電圧源を残して電流源を取り除いた回路を考え(このとき、電流源は開放除去されている)、抵抗RXに流れる電流Iaを求める。

次に、当該回路において、電流源を残して電圧源を取り除いた回路を考え(このとき電圧源は短絡除去されている)、抵抗RXに流れる電流Ibを求める。

電流IaとIbを重ね合わせれば、抵抗RXに流れる電流は

\(\displaystyle I=I_a+I_b\text{[A]}\)

テブナンの定理

テブナンの定理は複雑な回路網中の、任意の点に流れる電流を求めるのに適している。知りたい電流が流れる点を回路から切り離し、その間の等価電源V0を求める。また電源を短絡した状態で回路側の等価抵抗R0を求める。

テブナンの定理を用いれば、等価電源V0[V]と等価抵抗R0[Ω]に、抵抗R[Ω]を接続したときの電流I[A]は

I=V0/(R0+R)[A]となる。

ミルマンの定理

交流回路

正弦波交流波形

正弦波交流電圧波形の位相差をθ[rad]とすると、正弦波交流電圧の瞬時値v(t)[V]は以下となる。

\(\displaystyle v(t)=V_{rms}\sqrt2\sin\left(ωt+θ\right)\text{[V]}\)

\(\displaystyle \omega=2\pi f\)

周期T[s]と周波数f[Hz]の関係は\(\displaystyle f=\frac{1}{T}\)

正弦波交流波形の実効値

正弦波交流波形における、実効値Vrms[V]と波高値Vm[V]の関係は、

\(\displaystyle V_m=\sqrt{2}V_{rms}\text{[V]}\)

交流波形の実効値の求め方はこちら

正弦波交流波形の平均値

平均値をVa[V]とすると、平均値と最大値の関係は、

\(\displaystyle V_a=\frac{2V_{m}}{\pi}\text{[V]}\)

交流波形の平均値の求め方はこちら

リアクタンス

\(\displaystyle X_L=2\pi fL=\omega L\)

リアクタンスを流れる電流の位相は回路に加えた電圧より90°遅れる

キャパシタンス

\(\displaystyle X_C=\frac{1}{2\pi f C}=\frac{1}{\omega C}\)

キャパシタンスを流れる電流の位相は回路に加えた電圧より90°進む

電力・力率

RLC直列回路の電力P[W]及び皮相電力S[V・A]を使って回路の力率cosθを表すと、cosθ=P/Sとなる。

RLC共振回路

R[Ω]の抵抗、インダクタンスL[H]のコイル、静電容量C[F]のコンデンサを直列又は並列に接続した回路がある。

直列接続の場合、この回路に交流電圧を加え、その周波数を変化させると、特定の周波数fr[Hz]のときに誘導性リアクタンス=2πfrL[Ω]と容量性リアクタンス=1/(2πfrC)[Ω]の大きさが等しくなり、その作用が互いに打ち消しあって回路のインピーダンスが小さくなり、大きな電流が流れるようになる。この現象を直列共振といい、このときの周波数fr[Hz]をその回路の共振周波数という。

RLC直列回路及びRLC並列回路の共振条件は、LによるインピーダンスZL[Ω]とCによるインピーダンスZC[Ω]が等しいことである。つまり、

\(\displaystyle Z_L=Z_C\)

すなわち、

\(\displaystyle ωL=\frac{1}{ωC}\)

\(\displaystyle ω=\frac{1}{\sqrt{LC}}\)

\(\displaystyle 2\pi f=\frac{1}{\sqrt{LC}}\)

\(\displaystyle f=\frac{1}{2\pi\sqrt{LC}}\)

回路の電源周波数\(\displaystyle f=\frac{1}{2\pi\sqrt{LC}}\)が成り立つとき、RLC回路は共振状態となる。

回路のリアクタンスは共振周波数fr[Hz]より低い周波数では容量性となり、電圧より位相が進んだ電流が流れる。また、共振周波数fr[Hz]より高い周波数では誘導性となり、電圧より位相が遅れた電流が流れる。

RLC直列回路が共振状態の場合、回路のインピーダンスZ[Ω]は、Z=R[Ω]となり、回路に加えた電圧と電流は同相になる。

ひずみ波交流

ひずみ波電流が以下のように直流成分\(I_0とi_n\)の合成で与えられるとき、

\(i=I_0+i_1+i_2…+i_n\)
\(=I_0+\sqrt2I_1\sin(\omega t+\phi_1+\theta_1)+\sqrt2I_2\sin(2\omega t+\phi_2+\theta_2)…+\sqrt2I_n\sin(n\omega t+\phi_n+\theta_n)\)

ひずみ波交流電流の実効値Iは、

\(I=\sqrt{I_0^2+I_1^2+…+I_n^2}\)[A]となる

過渡現象

インダクタンスLに流れる電流と電圧

インダクタンス L [H]のコイルに、電流 i [A]が流れるとき、コイルに発生する電圧v [V]は、
\(\displaystyle v=L\frac{di}{dt}\)[V]

RL直列回路

開放電圧がV[V]で出力抵抗が十分に低い直流電圧源と、インダクタンスがL[H]のコイルが与えられ、抵抗R[Ω]がスイッチSを介して直列接続されている。時刻t=0でスイッチSを閉じ、コイルの電流iL[A]の時間に対する変化を計測して、波形として表す。

RL直列回路へ、時刻t=0[s]から、直流電源V[V]を与えるとき回路に流れる電流i(t)[A]は、

\(\displaystyle i(t)=\frac{V}{R}(1-e^{-\frac{R}{L}t})\text{[A]}\)

となる。

過渡電流の時間変化の指標となる時定数τは、指数(e)係数の逆数であるので

\(\displaystyle τ=\frac{L}{R}\text{[s]}\)

過渡電流の時定数は、最終電流\(\displaystyle I=\frac{V}{R}\text{[A]}\)の\(\displaystyle (1-e^{-1})≒0.632\)倍すなわち63.2[%]となる時間である。

RC直列回路

開放電圧がV[V]で出力抵抗が十分に低い直流電圧源と、キャパシタンスがC[F]のコンデンサが与えられ、抵抗R[Ω]がスイッチSを介して直列接続されている。時刻t=0でスイッチSを閉じ、コンデンサの電流iC[A]の時間に対する変化を計測して、波形として表す。

\(\displaystyle i(t)=\frac{V}{R}e^{-\frac{1}{CR}t}\)[A]となる。

分布定数回路

3相交流回路

Y結線の対称三相交流電源にY結線の平衡三相抵抗負荷を接続した場合を考える。負荷側における線間電圧を\(V_l\)[V]、線電流を\(I_l\)[A]、相電圧を\(V_p\)[V]、相電流を\(I_p\)[A]、各相の抵抗を\(R\)[Ω]、三相負荷の消費電力を\(P\)[W]とする。

(1)\(V_l=\sqrt3V_p\)が成り立つ。

(2)\(I_l=I_p\)が成り立つ。

(3)\(\displaystyle I_l=\frac{V_p}{R}\)成り立つ。

(4)\(P=3V_pI_p=\sqrt3V_lI_l\)が成り立つ。

(5)電源と負荷の中性点を中性線で接続しても、中性線に電流は流れない。

Δ-Y変換

Δ回路に負荷抵抗\(R_{Δab},R_{Δbc},R_{Δca}\)[Ω]が接続されているとき、これをY回路に変換したときの平衡負荷\(R_{Ya},R_{Yb},R_{Yc}\)[Ω]は、

\(\displaystyle R_{Ya}=\frac{R_{Δab}R_{Δca}}{R_{Δab}+R_{Δbc}+R_{Δca}}\)[Ω]
\(\displaystyle R_{Yb}=\frac{R_{Δab}R_{Δbc}}{R_{Δab}+R_{Δbc}+R_{Δca}}\)[Ω]
\(\displaystyle R_{Yc}=\frac{R_{Δbc}R_{Δca}}{R_{Δab}+R_{Δbc}+R_{Δca}}\)[Ω]
となる。

\(\displaystyle R_{Δab}=\frac{R_{Ya}R_{Yb}+R_{Yb}R_{Yc}+R_{Yc}R_{Ya}}{R_{Yc}}\)[Ω]
\(\displaystyle R_{Δbc}=\frac{R_{Ya}R_{Yb}+R_{Yb}R_{Yc}+R_{Yc}R_{Ya}}{R_{Ya}}\)[Ω]
\(\displaystyle R_{Δca}=\frac{R_{Ya}R_{Yb}+R_{Yb}R_{Yc}+R_{Yc}R_{Ya}}{R_{Yb}}\)[Ω]
となる。

Δ回路に全て同じ平衡負荷抵抗RΔ[Ω]が接続されているとき、これをY回路に変換したときの平衡負荷RY[Ω]は、

\(\displaystyle R_Y=\frac{R_Δ}{3}\)[Ω]となる。

非対称三相交流回路

最大値計算

最大値計算については解相加相乗平均比較法の解説を参照