電験3種過去問【2020年理論 問15】

2021年6月3日

【電気計測】単相電力計に関する計算《計算問題》

 図のように、線間電圧(実効値)200Vの対称三相交流電源に、1台の単相電力計W1、X=4Ωの誘導性リアクタンス3個、R=9Ωの抵抗3個を接続した回路がある。単相電力計W1の電流コイルはa相に接続し、電圧コイルはb-c相間に接続され、指示は正の値を示していた。この回路について、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
 ただし、対称三相交流電源の相順は、a、b、cとし、単相電力計W1の損失は無視できるものとする。

(a)R=9Ωの抵抗に流れる電流Iabの実効値[A]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)6.77
(2)13.3
(3)17.3
(4)23.1
(5)40.0

(b)単相電力計W1の指示値[kW]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)0
(2)2.77
(3)3.70
(4)4.80
(5)6.40

解答と解説はこちら

解答

(a)の解答は(2)
(b)の解答は(3)

解説

(a)電流Iab[A]を求めるために、R=9ΩのΔ回路をY回路に変換する。

Δ回路に全て同じ平衡負荷抵抗RΔ[Ω]が接続されているとき、これをY回路に変換したときの平衡負荷RY[Ω]は、

\(\displaystyle R_Y=\frac{R_Δ}{3}\)[Ω]となる。

つまり、Y回路に変換された後の平衡負荷抵抗RY[Ω]は

\(\displaystyle R_Y=\frac{9}{3}=3\)[Ω]

Y回路に変換後の1相分の回路は、X=4ΩとRY=3Ωが直列に接続され、a相を考えると相電圧Vaは\(\frac{200}{\sqrt{3}}\)[V]であるので、この時の線電流Ia[A]を求めると、

\(\displaystyle I_a=\frac{V_a}{\sqrt{X^2+R_Y^2}}=\frac{\frac{200}{\sqrt{3}}}{\sqrt{4^2+3^2}}=\frac{\frac{200}{\sqrt{3}}}{5}\\
\displaystyle =\frac{40}{\sqrt{3}}\text{[A]}\)

求める電流Iab[A]はΔ回路の相電流であるので、

\(\displaystyle I_{ab}=\frac{I_a}{\sqrt{3}}=\frac{40}{(\sqrt{3})^2}=\frac{40}{3} \\
\displaystyle=13.3\text{[A]}\)

 

(b)単相電力計W1には(a)で求めた線電流\(I_a=\frac{40}{\sqrt{3}}\)[A]が流れている。一方、W1に掛かる線間電圧は\(\displaystyle V_{bc}=200\)[V]である。ベクトル図を考えると、相電圧Vaに対して相電流Iaはθ[°]遅れるものとして、VbcはVaに対して90°遅れる。IaがVaに対して90°遅れる成分はIasinθ[A]となり、W1の指示値は同ベクトル成分の電圧と電流の積であるので、Vbc×Iasinθとなる。すなわち、

\(\displaystyle W_1=V_{bc}\times I_a\sin\theta=200\times\frac{40}{\sqrt3}\times\frac{4}{5} \\
\displaystyle=3695\text{[W]}\)

すなわち、W1の指示値は3.7[kW]となる。