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電験3種過去問【2023年(上期)機械 問13】

2024年1月15日

【自動制御】RL回路の周波数伝達関数《計算問題》

 図1に示す R-L 回路において、端子 a、a’ 間に単位階段状のステップ電圧 v(t) [V] を加えたとき、抵抗 R [Ω] に流れる電流を i(t) [A] とすると、 i(t) は図2のようになった。この回路の R [Ω]、L [H] の値及び入力を a、a’ 間の電圧とし、出力を R [Ω] に流れる電流としたときの周波数伝達関数 G(jω) の式として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

\(\small{\begin{array}{cccc} &R[Ω]&L[H]&G(jω)\\ \hline(1)&10&0.1&\frac{0.1}{1+j0.01ω}\\ \hline(2)&10&1&\frac{0.1}{1+j0.1ω}\\ \hline(3)&100&0.01&\frac{1}{10+j0.01ω}\\ \hline(4)&10&0.1&\frac{1}{10+j0.01ω}\\ \hline(5)&100&0.01&\frac{1}{100+j0.01ω}\\ \hline\end{array}}\)
解答と解説はこちら

解答

(1)が正しい。

解説

周波数伝達関数

入力信号が正弦波交流である場合、定常状態での出力信号\(\displaystyle \dot{E}_o(jω)\)と入力信号\(\displaystyle \dot{E}_i(jω)\)の比は、入力信号の角周波数ωの関数となる。これを周波数伝達関数G(jω)と呼ぶ。

\(\displaystyle G(jω)=\frac{\dot{E}_o(jω)}{\dot{E}_i(jω)}\)

RL直列回路の過渡現象

開放電圧がV[V]で出力抵抗が十分に低い直流電圧源と、インダクタンスがL[H]のコイルが与えられ、抵抗R[Ω]がスイッチSを介して直列接続されている。時刻t=0でスイッチSを閉じ、コイルの電流iL[A]の時間に対する変化を計測して、波形として表す。

RL直列回路へ、時刻t=0[s]から、直流電源V[V]を与えるとき回路に流れる電流i(t)[A]は、

\(\displaystyle i(t)=\frac{V}{R}(1-e^{-\frac{R}{L}t})\text{[A]}\)

過渡電流の時間変化の指標となる時定数τは、指数(e)係数の逆数であるので

\(\displaystyle τ=\frac{L}{R}\text{[s]}\)

過渡電流の時定数は、最終電流\(\displaystyle I=\frac{V}{R}\text{[A]}\)の\(\displaystyle (1-e^{-1})≒0.632\)倍すなわち63.2[%]となる時間である。

電気回路の学習帳

 RL直列回路に流れる過渡電流は、
\(\displaystyle i(t)=\frac{V}{R}(1-e^{-\frac{R}{L}t})\text{[A]}\)となる。

 最終電流\(\displaystyle I=\frac{V}{R}\text{[A]}\)は、図2より 0.1 A となり、また V = 1 [V] であるので、
\(\displaystyle I=\frac{V}{R}=\frac{1}{R}=0.1\)
∴\(\displaystyle R=10\)[Ω]

過渡電流の時定数τは、
\(\displaystyle τ=\frac{L}{R}\text{[s]}\)で与えられ、図2より 0.01 s であるので、
\(\displaystyle τ=\frac{L}{R}=\frac{L}{10}=0.01\)
∴\(\displaystyle L=0.1\)[H]

周波数伝達関数G(jω)は、題意より入力は端子電圧、出力は抵抗に流れる電流であるので
\(\displaystyle G(jω)=\frac{\dot{E}_o(jω)}{\dot{E}_i(jω)}\)
\(\displaystyle  =\frac{i(t)}{V}\)
\(\displaystyle  =\frac{\frac{V}{R+jωL}}{V}\)
\(\displaystyle  =\frac{1}{R+jωL}\)
\(\displaystyle  =\frac{1}{10+jω0.1}\)
\(\displaystyle  =\frac{0.1}{1+jω0.01}\)


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