解答
(a):(2)
(b):(1)
解説
(a)題意より、対称三相交流電源に平衡三相負荷が接続されているので、線電流Ia=Ib=Ic=10Aとなる。
a相及びc相の変流器の2次側に、Ia’及びIc’の電流が流れるとすると、
変流器の変流比が20:5であるので、
\(\displaystyle I_a’=I_c’=I\times \frac{5}{20}\)
\(\displaystyle =10 \times \frac{5}{20}=2.5\text{[A]}\)
変流器は電流Ia及びIcの方向に対して、同極性で接続されているため、
交流電流計には、下図のような電流Ia’及びIc’のベクトル合成電流が表れる。
ベクトル図より、
\(\displaystyle \left|\vec{I_a’}+\vec{I_c’}\right|=\left|\vec{I_a’}\right|=\left|\vec{I_c’}\right|\)
したがって、電流計に現れる電流値は、2.5[A]となる。
(b)平衡三相負荷の全消費電力P[W]は、線間電圧V[V]、線電流I[A]、負荷力率cosθとすると、
\(\displaystyle P=\sqrt3 VIcos\theta\text{[W]}\)
となる。
題意より、全消費電力P=6[kW]であるので、
\(\displaystyle 6\times10^3=\sqrt3 \times400 \times10 \times cos\theta\)
\(\displaystyle ∴cos\theta=\frac{6\times10^3}{\sqrt3 \times400 \times10}\)
\(\displaystyle =\frac{3}{2\sqrt3}\)
\(\displaystyle =\frac{\sqrt3}{2}\)
このとき、力率の遅れ角θは
\(\displaystyle \theta=30\text{[°]}\)
相電圧Vaは
\(\displaystyle V_a=\frac{V}{\sqrt3}\)
\(\displaystyle =\frac{400}{\sqrt3}\text{[V]}\)
各相の合成インピーダンスZは
\(\displaystyle Z=\frac{V_a}{I}\)
\(\displaystyle =\frac{\frac{400}{\sqrt3}}{10}=\frac{40}{\sqrt3}\text{[Ω]}\)
Z[Ω]は誘導性インピーダンスであるので、遅れ力率角θとR[Ω]、X[Ω]の関係は下図のようになる。
上図より、各相の抵抗R[Ω]は、力率\(\displaystyle cos30°=\frac{\sqrt3}{2}\)であるので、
\(\displaystyle R=Zcos\theta=\frac{40}{\sqrt3}\times\frac{\sqrt3}{2}\)
\(\displaystyle =20\text{[Ω]}\)
合成インピーダンスは\(\displaystyle Z=\sqrt{R^2 +X^2}\text{[Ω]}\)であるので、
\(\displaystyle X^2={Z_{RX}}^2 -R^2\)
\(\displaystyle =\left(\frac{40}{\sqrt3}\right)^2 -20^2\)
\(\displaystyle =\frac{1600-1200}{3}=\frac{400}{3}\)
したがって、
\(\displaystyle X=\sqrt{\frac{400}{3}}\)
\(\displaystyle =11.5\text{[Ω]}\)
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