自動制御の学習帳
伝達関数
出力信号y(t)のラプラス変換Y(s)と、入力信号x(t)のラプラス変換X(s)の比を伝達関数という。
\(\displaystyle G(s)=\frac{Y(s)}{X(s)}\)
伝達関数の基本要素
比例要素
\(\displaystyle y(t)=Kx(t)\)をラプラス変換すると
\(\displaystyle Y(s)=KX(s)\)
\(\displaystyle G(s)=\frac{Y(s)}{X(s)}=K\)
積分要素
\(\displaystyle y(t)=K\int x(t)dt\)をラプラス変換すると
\(\displaystyle Y(s)=K\frac{X(s)}{s}\)
\(\displaystyle G(s)=\frac{Y(s)}{X(s)}=\frac{K}{s}\)
微分要素
\(\displaystyle y(t)=K\frac{dx(t)}{dt}\)をラプラス変換すると
\(\displaystyle Y(s)=KsX(s)\)
\(\displaystyle G(s)=\frac{Y(s)}{X(s)}=Ks\)
一次遅れ要素
RC回路において
\(\displaystyle Ri(t)+\frac{1}{C}\int i(t)dt=e_1(t)\)
\(\displaystyle \frac{1}{C}\int i(t)dt=e_2(t)\)
上記をラプラス変換すると
\(\displaystyle RI(s)+\frac{I(s)}{Cs}=E_1(s)\)
\(\displaystyle \frac{I(s)}{Cs}=E_2(s)\)
\(\displaystyle G(s)=\frac{E_2(s)}{E_1(s)}\)
\(\displaystyle =\frac{\frac{1}{Cs}I(s)}{\left(R+\frac{1}{Cs}\right)I(s)}\)
\(\displaystyle =\frac{\frac{1}{Cs}}{\left(R+\frac{1}{Cs}\right)}\)
\(\displaystyle =\frac{1}{1+CRs}\)
\(\displaystyle T=CRs\)を時定数とすると、
\(\displaystyle G(s)=\frac{1}{1+Ts}\)
ブロック線図
伝達関数\(\displaystyle G(s)=\frac{Y(s)}{X(s)}\)をブロック線図を用いて、下図のように表す。
ブロック線図の等価変換
直列接続
等価伝達関数\(\displaystyle G(s)=G_1(s)G_2(s)\)
並列接続
等価伝達関数\(\displaystyle G(s)=G_1(s)±G_2(s)\)
フィードバック結合
等価伝達関数\(\displaystyle G(s)=\frac{G_1(s)}{1±G_1(s)G_2(s)}\)
周波数伝達関数
周波数伝達関数
入力信号が正弦波交流である場合、定常状態での出力信号\(\displaystyle \dot{E}_o(jω)\)と入力信号\(\displaystyle \dot{E}_i(jω)\)の比は、入力信号の角周波数ωの関数となる。これを周波数伝達関数G(jω)と呼ぶ。
\(\displaystyle G(jω)=\frac{\dot{E}_o(jω)}{\dot{E}_i(jω)}\)
伝達関数G(jω)は、複素数であるので、絶対値をゲインという。
\(\displaystyle |G(jω)|=\frac{|\dot{E}_o(jω)|}{|\dot{E}_i(jω)|}\)
伝達関数の偏角を位相角θという。
\(\displaystyle \theta =\angle G(jω)\)
ゲイン特性
伝達関数G(jω)について、横軸に角周波数ωを対数目盛でとり、縦軸にゲイン
\(\displaystyle 20\log_{10}|G(jω)|\)[dB]
をとったものを、ゲイン特性という。
位相特性
伝達関数G(jω)について、横軸に角周波数ωを対数目盛でとり、縦軸に位相角をとったものを、位相特性という。
ボード線図
ゲイン特性と位相特性を1組にしたものをボード線図という。
1次遅れ要素の折れ点角周波数
折れ点角周波数ωc[rad/s]は、時定数τの逆数となる。
\(\displaystyle ω_c=\frac{1}{τ}\)
このときの周波数はカットオフ周波数と呼ばれ、
ゲイン-3dB、位相角-45°となる。
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