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自動制御の学習帳

2024年1月3日

伝達関数

出力信号y(t)のラプラス変換Y(s)と、入力信号x(t)のラプラス変換X(s)の比を伝達関数という。

\(\displaystyle G(s)=\frac{Y(s)}{X(s)}\)

ラプラス変換表

\(\large{\begin{array}{ccc} f(t)&⇔&F(s)\\ デルタ関数δ(t)&⇔&1\\ ステップ関数u(t)&⇔&\frac{1}{s}\\ K&⇔&\frac{K}{s}\\ t&⇔&\frac{1}{s^2}\\ e^{-at}&⇔&\frac{1}{s+a}\\ sinωt&⇔&\frac{ω}{s^2+ω^2}\\ cosωt&⇔&\frac{s}{s^2+ω^2}\\ \end{array}}\)

伝達関数の基本要素

比例要素

\(\displaystyle y(t)=Kx(t)\)をラプラス変換すると

\(\displaystyle Y(s)=KX(s)\)

\(\displaystyle G(s)=\frac{Y(s)}{X(s)}=K\)

積分要素

\(\displaystyle y(t)=K\int x(t)dt\)をラプラス変換すると

\(\displaystyle Y(s)=K\frac{X(s)}{s}\)

\(\displaystyle G(s)=\frac{Y(s)}{X(s)}=\frac{K}{s}\)

微分要素

\(\displaystyle y(t)=K\frac{dx(t)}{dt}\)をラプラス変換すると

\(\displaystyle Y(s)=KsX(s)\)

\(\displaystyle G(s)=\frac{Y(s)}{X(s)}=Ks\)

一次遅れ要素

RC回路において

\(\displaystyle Ri(t)+\frac{1}{C}\int i(t)dt=e_1(t)\)

\(\displaystyle \frac{1}{C}\int i(t)dt=e_2(t)\)

上記をラプラス変換すると

\(\displaystyle RI(s)+\frac{I(s)}{Cs}=E_1(s)\)

\(\displaystyle \frac{I(s)}{Cs}=E_2(s)\)

\(\displaystyle G(s)=\frac{E_2(s)}{E_1(s)}\)

\(\displaystyle =\frac{\frac{1}{Cs}I(s)}{\left(R+\frac{1}{Cs}\right)I(s)}\)

\(\displaystyle =\frac{\frac{1}{Cs}}{\left(R+\frac{1}{Cs}\right)}\)

\(\displaystyle =\frac{1}{1+CRs}\)

\(\displaystyle T=CRs\)を時定数とすると、

\(\displaystyle G(s)=\frac{1}{1+Ts}\)

ブロック線図

伝達関数\(\displaystyle G(s)=\frac{Y(s)}{X(s)}\)をブロック線図を用いて、下図のように表す。

ブロック線図の等価変換

直列接続

等価伝達関数 G(s)=G1(s)G2(s)

並列接続

等価伝達関数 G(s)=G1(s)±G2(s)

フィードバック結合

等価伝達関数\(\displaystyle G(s)=\frac{G_1(s)}{1∓G_1(s)G_2(s)}\)

周波数伝達関数

周波数伝達関数

入力信号が正弦波交流である場合、定常状態での出力信号\(\displaystyle \dot{E}_o(jω)\)と入力信号\(\displaystyle \dot{E}_i(jω)\)の比は、入力信号の角周波数ωの関数となる。これを周波数伝達関数G(jω)と呼ぶ。

\(\displaystyle G(jω)=\frac{\dot{E}_o(jω)}{\dot{E}_i(jω)}\)

伝達関数G(jω)は、複素数であるので、絶対値をゲインという。

\(\displaystyle |G(jω)|=\frac{|\dot{E}_o(jω)|}{|\dot{E}_i(jω)|}\)

伝達関数の偏角を位相角θという。

\(\displaystyle \theta =\angle G(jω)\)

一巡伝達関数(開ループ伝達関数)

ブロック線図のループの一部を切り開いたときに、一巡する伝達関数を一巡伝達関数という。
下図の場合、一巡伝達関数は G(jω)H(jω) となる。

ベクトル軌跡

ベクトル軌跡とは角周波数ωの変化に対する周波数伝達関数 G(jω) の変化を複素平面上のベクトルとして表したもの。

ナイキスト線図

特に、下図のようなフィードバック制御系の、一巡伝達関数 G(jω)H(jω) のベクトル軌跡をナイキスト線図という。ナイキスト線図により、フィードバック制御系の安定判別ができる。

ゲイン特性

伝達関数G(jω)について、横軸に角周波数ωを対数目盛でとり、縦軸にゲイン

\(\displaystyle 20\log_{10}|G(jω)|\)[dB]

をとったものを、ゲイン特性という。

位相特性

伝達関数G(jω)について、横軸に角周波数ωを対数目盛でとり、縦軸に位相角をとったものを、位相特性という。

ボード線図

ゲイン特性と位相特性を1組にしたものをボード線図という。

1次遅れ要素の折れ点角周波数

折れ点角周波数ωc[rad/s]は、時定数τの逆数となる。

\(\displaystyle ω_c=\frac{1}{τ}\)

このときの周波数はカットオフ周波数と呼ばれ、

ゲイン-3dB、位相角-45°となる。

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