// google adsence用 電験1種過去問【2014年電力管理 問2】 | 電気主任技術者のいろは

電験1種過去問【2014年電力管理 問2】

2024年2月17日

【変電所】大容量GISの異常診断方法《論説問題》

 超高圧などの重要変電所に使用される大容量 GIS において、下記の異常を診断する手法について、その概要を説明せよ。

  1. GIS母線の絶縁異常
  2. GIS母線のシール異常
  3. GIS母線及びSF₆ガス遮断器の通電異常
  4. SF₆ガス遮断器の機械的異常
解答と解説はこちら

解答

公式標準解答

  1. GIS母線の絶縁異常
     絶縁異常の兆候をとらえる主な診断技術は部分放電の検出である。部分放電に伴ってタンク内部に発生する各種現象を電気的(電磁波)、機械的(AE : Acoustic Emission)に検出する方法が使われている。また、分解ガスを検出する化学的方法、UHF 帯域の電磁波を検出することで部分放電を pC 感度で管理する方法も採用されている。
     特に絶縁異常の主な要因である金属異物については、異物が交流電界内を振動中に、タンク表面に衝突して発生する音波や異物の存在により発生する部分放電を AE センサ(超音波センサ)や加速度センサにより検出する方法が使われている。
  2. GIS母線のシール異常
     ガス配管、フランジ部などでシール異常があると、ガス漏れが生じ、ガス圧力低下に至る。ガス漏れに対する診断技術としては、ガス圧力の変化を測定する方法とタンクからのガス漏れがないことを直接的に検出する方法があり、それぞれガス圧力センサやガス密度スイッチを用いた測定、ガスリークディテクタによる検出が採用されている。
  3. GIS母線及びSF₆ガス遮断器の通電異常
     GIS母線の通電異常の要因として、主回路導体の接触不良がある。この接触不良を検出する診断技術としては、導体の接触抵抗を測定する方法、局部加熱に起因するタンク温度上昇を温度センサ、赤外線カメラで検出する方法、局部過熱により発生するSF₆分解ガスを測定する方法、また通電異常箇所から発生する部分放電を検出する方法などが採用されている。
     SF₆ガス遮断器の通電異常においては、コンタクト損耗異常の検知がある。このコンタクト損耗異常の主な要因としては、大電流遮断時のコンタクトの損耗がある。コンタクトの損耗は開閉特性(ワイプ量の測定など)を確認する方法があるが、電流遮断によるコンタクトの損耗は、一様に発生しないため、開閉特性では確認できない場合もあり、累積遮断回数により管理する場合もある。
  4. SF₆ガス遮断器の機械的異常
     SF₆ガス遮断器の操作機構部の固渋や不動作の要因として、グリスの劣化や電装品の不具合などが挙げられる。
     機械的異常の診断技術としては、開閉動作特性を測定し、動作特性不良を判定する方法がある。開閉動作特性を測定する方法としては、制御電流や補助スイッチの動作を測定する方法、機構部の動作速度をセンサにて検出する方法がある。また、油圧操作用油圧系統の異常を油圧ポンプの動作頻度で検出する方法などがある。

解説

 ガス絶縁開閉装置(GIS)に関する問題です。一種としては難しくない内容です。しっかり得点したい問題です。簡易的にでも、全て記述できるようにしておきたい内容です。


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