変電所の学習帳

2021年4月15日

変電所

変電所とは、発電所から送電線によって送られてきた電気の電圧・電流を変成したり、電気の集中・配分を行う。その他、電気の質をよくするために電圧・電力の調整や無効電力の配分制御を行う。

 変電所は、用途の面から、送電用変電所、配電用変電所などに分類されるが、東日本と西日本の間の連系に用いられる周波数変換所や北海道と本州の連系に用いられる交直変換所も変電所の一種として分類されることがある。

電力系統における変電所の役割と機能

  1. 主に送電効率向上のための昇圧や需要家が必要とする電圧への降圧を行う。構外から送られる電気を、変圧器やその他の電気機械器具により変成し、変成した電気を構外に送る。
  2. 送電線路で短絡や地絡事故が発生したとき、保護継電器により事故を検出し、遮断器にて事故回線を系統から切り離し、事故の波及を防ぐ系統保護の役割を担う。
  3. 送変電設備の局部的な過負荷運転を避けるため、開閉装置により系統切換を行って電力潮流を調整する。
  4. 無効電力調整のための調相設備を有し、重負荷時には電力用コンデンサを投入し、軽負荷時には分路リアクトルを投入して、電圧をほぼ一定に保持する。
  5. 負荷変化に伴う供給電圧の変化時に、負荷時タップ切換変圧器等により電圧を調整する。

 

開閉設備

ガス絶縁開閉装置(GIS)

ガス絶縁開閉装置(GIS)は、遮断器、断路器、避雷器、変流器等の機器を絶縁性の高いガスが充填された金属容器に収めた開閉装置である。この絶縁ガスとしては、SF6ガスが現在広く用いられている。機器の充電部を密閉した金属容器は接地されるため感電の危険性がほとんどない。また、気中絶縁の設備に比べて装置が小形化する。このようなことから、変電所の体積と面積を大幅に縮小でき、大都市の地下変電所や塩害対策の開閉装置として適している。

遮断器

遮断器は、送電線路の運転・停止、故障電流の遮断などに用いられる。

直流電流には電流零点がないため、交流電流に比べ電流の遮断が困難である。

ガス遮断器

遮断器では一般的に、電流遮断時にアークが発生する。ガス遮断器では圧縮ガスを吹き付けることで、アークを早く消弧することができる。電圧が高い系統では、真空遮断器に比べてガス遮断器が広く使われている。

六ふっ化硫黄(SF6)ガス

  1. アークの消弧能力は、空気よりも優れている。
  2. 無色、無臭、無毒、腐食性・爆発性・可燃性がなく、化学的に安定しており不活性である。
  3. 地球温暖化に及ぼす影響は、同じ質量の二酸化炭素と比較してはるかに大きい。温室効果ガスであるため、使用量の削減や、保守や廃棄の際、回収することが求められている。
  4. ガス遮断器やガス絶縁変圧器の絶縁媒体として利用される。
  5. 絶縁破壊電圧は、同じ圧力の空気と比較すると高い。大気圧以上のSF6ガスが充填される。(0.3~0.6MPa)

真空遮断器

真空遮断器の開閉電極は、真空バルブ内に密閉され、電極を開閉する操作機構、可動電極が動作しても真空を保つベローズ、回路と接続する導体などで構成されている。
電路を開放した際に発生するアーク生成物は、真空中に拡散するが、その後、絶縁筒内部に付着することで、その濃度が下がる。
真空遮断器は、空気遮断器と比べると動作時の騒音が小さく、機器は小形軽量である。また、真空遮断器はガス遮断器と比べると電圧が低い系統に広く使われている。

保護リレー

保護リレーは電力系統に事故が発生したとき、事故を検出し、事故の位置や種類を識別して、事故箇所を系統から直ちに切り離す指令を出して遮断器を動作させる制御装置である。

過電流継電器

高圧配電線路に短絡事故が発生した場合、配電用変電所に設けた過電流リレーで事故を検出し、遮断器に切り離し指令を出し事故電流を遮断する。

比率差動継電器

変圧器の保護に最も一般的に適用される電気式リレーは、変圧器の一次側と二次側の電流の差から異常を検出する差動リレーである。

後備保護

後備保護は、主保護負動作や遮断器不良など、何らかの原因で事故が継続する場合に備え、最終的に事故除去する補完保護である。

保護協調

高圧需要家に構内事故が発生した場合、配電用変電所の保護リレーよりも先に同需要家の保護リレーが動作して遮断器に切り離し指令を出すことで、確実に事故を除去する。

計器用変成器

計器用変成器において、変流器の二次端子は、常に低インピーダンス負荷を接続しておかなければならない。特に、一次電流(負荷電流)がながれている状態では、絶対に二次回路を開路してはならない。これを誤ると、二次側に大きな電圧が発生し鉄損が過大となり、変流器を焼損する恐れがある。また、一次端子のある変流器は、その端子を比測定線路に直列に接続する。

地絡方向継電器

一般に、多回線配電線路では地絡保護に地絡方向継電器が用いられる。これは、故障時に故障線路と健全線路における地絡電流が逆位相となることを利用し、故障回線を選択するためである。

過去問題:
電験3種過去問【2019年電力 問6】(ガス絶縁開閉装置)
電験3種過去問【2019年電力 問7】(変電所の役割と用途)
電験3種過去問【2018年電力 問6】(保護リレー)
電験3種過去問【2016年電力 問7】(遮断器)
電験3種過去問【2015年電力 問6】(保護リレー)
電験3種過去問【2014年電力 問14】(六ふっ化硫黄ガス)
電験3種過去問【2013年電力 問7】(真空遮断器)
電験3種過去問【2012年電力 問6】(ガス絶縁開閉装置GIS)
電験3種過去問【2010年電力 問9】(変流器の注意点)
電験3種過去問【2009年電力 問6】(変電所の役割と機能)