新エネルギー発電の学習帳

2021年6月21日

太陽光発電

太陽光発電は、半導体を用いて、光の持つエネルギーを電気に変換している。エネルギー変換時には、化石燃料のように排気ガスを出さない。
すなわち、化石燃料による発電では、数千万年から数億年間の太陽エネルギーの照射や、地殻における変化等で優れた燃焼特性になった燃料を電気エネルギーに変換しているが、太陽光発電では変換効率は低いものの、光を電気エネルギーへ瞬時に変換しており長年にわたる環境変化の積み重ねにより生じた資源を消費しない。そのため環境への影響は小さい。

現在広く用いられている太陽電池の変換効率は太陽電池の種類により異なるが、およそ7~20[%]である。太陽光発電を導入する際には、その地域の年間発電電力量を予想することが必要である。また、太陽電池を設置する方位や傾斜によって発電電力量が変わるので、これらを確認する必要がある。さらに、太陽電池で発電した直流電力を交流電力に変換するためには、電気事業者の配電線に連系して悪影響を及ぼさないための保護装置などを内蔵したパワーコンディショナが必要である。

太陽光発電は、太陽電池によって直流の電力を発生させる。需要地域で発電が可能、発生電力の変動が大きい、などの特徴がある。

 太陽光発電は、太陽電池の光電効果を利用して太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する。地球に降り注ぐ太陽光エネルギーは、1m2当たり1秒間に約1kJに相当する。太陽電池の基本単位はセルと呼ばれ、1V程度の直流電圧が発生するため、これを直列に接続して電圧を高めている。太陽電池を系統に接続する際は、パワーコンディショナにより交流の電力に変換する。
一部の地域では太陽光発電の普及によって日中に電力の余剰が発生しており、余剰電力は揚水発電の揚水に使われているほか、大容量蓄電池への電力貯蔵に活用されている。

過去問題:
電験3種過去問【2011年電力 問5】(太陽光発電に関する記述)
電験3種過去問【2013年電力 問5】(太陽光発電に関する記述)
電験3種過去問【2020年電力 問5】(太陽光発電に関する記述)

バイオマス発電

バイオマス発電は、植物等の有機性資源を用いた発電と定義することができる。森林樹木、サトウキビ等はバイオマス発電用のエネルギー作物として使用でき、その作物に吸収される二酸化炭素量と発電時の二酸化炭素発生量を同じとすることができれば、環境に負担をかけないエネルギー源となる。ただ、現在のバイオマス発電では、発電事業として成立させるためのエネルギー作物等の量的確保の問題や食料をエネルギーとして消費することによる作物価格への影響が課題となりつつある。

さとうきびから得られるエタノールや、家畜の糞から得られるメタンガスなどが燃料として用いられている。

バイオマス発電は、植物や動物が生成・排出する有機物から得られる燃料を利用する発電方式である。燃料の代表的なものには、木くずから作られる固形化燃料や、家畜の糞から作られる気体燃料がある。

過去問題:
電験3種過去問【2009年電力 問5】(バイオマス発電に関する記述)
電験3種過去問【2017年電力 問5】(地熱発電とバイオマス発電に関する記述)

地熱発電

地熱発電は、地下から取り出した蒸気によってタービンを回して発電する方式であり、発電に適した地熱資源は火山地域に多く存在する。

風力発電

風として運動している同一質量の空気が持っている運動エネルギーは、風速の2乗に比例する。また、風として風力発電機の風車面を通過する単位時間当たりの空気の量は、風速の1乗に比例する。したがって、風車面を通過する空気の持つ運動エネルギーを電気エネルギーに変換する風力発電機の変換効率が風速によらず一定とすると、風力発電機の出力は風速の3乗に比例することとなる。

(1)風力発電は、風の力で風力発電機を回転させて電気を発生させる発電方式である。風が得られれば燃焼によらずパワーを得ることができるため、発電するときにCO2を排出しない再生可能エネルギーである。

(2)風車で取り出せるパワーは風速の3乗に比例するため、発電量は風速に左右される。このため、安定して強い風が吹く場所が好ましい。

(3)離島においては、風力発電に適した地域が多く存在する。離島の電力供給にディーゼル発電機を使用している場合、風力発電を導入すれば、そのディーゼル発電機の重油の使用量を減らす可能性がある。

(4)一般的に、風力発電では同期発電機、永久磁石式発電機、誘導発電機が用いられる。特に、大形の風力発電機には、同期発電機又は誘導発電機が使われている。

(5)風力発電では、翼が風を切るため騒音を発生する。風力発電を設置する場所によっては、この騒音が問題となる場合がある。この騒音対策として、翼の形を工夫して騒音を低減している。

風車の受けるエネルギー

風速をv[m/s]、空気の質量をm[kg]とすると、風車の受ける運動エネルギーEは

\(\displaystyle E=\frac{1}{2}mv^2\text{[J]}\)

風車が風を受ける面積がA[m2]、空気の密度をρ[kg/m3]とすると、単位時間に通過する空気の質量m[kg]は

\(\displaystyle m=ρvA\text{[kg/s]}\)

したがって、単位時間に風車が受ける運動エネルギーEが、全て風力発電機出力Pに変換されたとすると、

\(\displaystyle P=\frac{1}{2}mv^2\text{[J/s]}\\
\displaystyle =\frac{1}{2}(ρvA)v^2\text{[J/s]}\\
\displaystyle =\frac{1}{2}ρAv^3\text{[J/s]}\)

ここでパワー係数k(単位時間あたりにロータを通過する風のエネルギーのうち、風車が風から取り出せるエネルギーの割合)とすると

\(\displaystyle P=\frac{1}{2}kρAv^3\text{[J/s]}\)

過去問題:
電験3種過去問【2010年電力 問5】(風力発電の風力エネルギー)
電験3種過去問【2012年電力 問5】(風力発電に関する記述)
電験3種過去問【2016年電力 問5】(各種発電に関する記述)
電験3種過去問【2018年電力 問5】(風車のロータ軸出力計算)

二次電池

(1)リチウムイオン電池、NAS電池、ニッケル水素電池は、繰返し充放電ができる二次電池として知られている。

(2)二次電池の充電法として、整流器を介して負荷に電力を常時供給しながら二次電池への充電を行う浮動充電式がある。

(3)二次電池を活用した無停電電源システムは、商用電源が停電したとき、瞬時に二次電池から負荷に電力を供給する。

(4)風力発電や太陽光発電などの出力変動を抑制するために、二次電池が利用されることもある。

(5)鉛蓄電池の充電方式として、一般的に、整流器の出力電圧を高くして回復充電を行い、その後、定電流で満充電状態になるまで充電する。

過去問題:
電験3種過去問【2014年電力 問5】(二次電池に関する記述)

燃料電池発電

燃料電池発電は、水素と酸素との化学反応を利用して直流の電力を発生させる。化学反応で発生する熱は給湯などに利用できる。

配電系統連系

(1)分散型電源からの逆潮流による系統電圧の上昇を抑制するために、受電点の力率は系統側から見て遅れ力率とする。

(2)分散型電源からの逆潮流等により他の低圧需要家の電圧が適正値を維持できない場合は、ステップ式自動電圧調整器(SVR)を設置する等の対策が必要になることがある。

(3)比較的大容量の分散型電源を連系する場合は、専用線による連携や負荷分割等配電系統側の増強が必要になることがある。

(4)太陽光発電や燃料電池発電等の電源は、電力変換装置を用いて電力系統に連系されるため、高調波電流の流出を抑制するフィルタ等の設置が必要になることがある。

(5)大規模太陽光発電等の分散型電源が連系した場合、配電用変電所に設置されている変圧器に逆向きの潮流が増加し、配電線の電圧が上昇する場合がある。

過去問題:
電験3種過去問【2015年電力 問5】(分散型電源の配電系統連系)