電験1種過去問【2009年電力管理 問2】
2024年2月17日
【変電所】地下変電所の設計時留意点《論説問題》
地下変電所の設計に当たり、次の2点について、考慮すべき事項を説明せよ。
- 機器配置
- 変圧器と電力ケーブルの防火対策
解答
公式標準解答
1. 地下変電所の設計に当たり、機器配置について、考慮すべき事項
地下変電所は電力需要密度や建設コストが高い都市部に建設されるため、一般の変電所に比べ、高信頼度かつ変電所スペースの縮小化を考慮した機器配置が必要である。
➀信頼度
事故が発生した場合は局限化することを基本に、電気的、機械的に隔離区分した機器配置(ユニット化)にすることが多い。
➁変電所スペースの縮小化:
変電所スペースの縮小化は、一般ビル地下での設置など立地面から必要である。
具体的には
・ガス絶縁機器(GIS)やガス変圧器などの縮小形機器を採用する。
・機器高さの近い機器を同一階に配置する。
・主要変圧器などの重量機器は、最下層に配置する。
・地上構造物により地下階の構造に制約がある場合があり、運転保守性、最終形態を考え、デッドスペースの少ない機器配置とする。
2. 地下変電所の設計に当たり、変圧器と電力ケーブルの防火対策について、考慮すべき事項
➀変圧器:
系統の短絡・地絡電流に耐える防火性能を有する変圧器仕様とする。
短絡・地絡電流が大きい超高圧などの系統に、油入変圧器を適用する場合は、高信頼度の保護・制御装置とすると共に、変圧器内部事故時のタンク内圧上昇でタンク破壊に至らないような対策が必要である。
・圧力上昇を低減するため、避圧空間をコンサベータ部に確保
・上部・下部タンク接続フランジ部を補強し、タンク強度を向上。
また、変圧器室は、耐火構造の壁や床で区画し、自動消火設備を備え、絶縁油が噴出した場合の処理のための集油槽を設ける。
従来の絶縁油に代わり、SF₆ガスにて絶縁し、不燃化を図るガス絶縁変圧器の適用も有効である。
➁電力ケーブル:
電力ケーブルは回線ごとに区画された洞道やピットに布設し、防火区画の貫通部は全て不燃材で埋める。
解説
地下変電所設計で考慮することに関する問題です。変電所の設計思想を問う類題は多く、一種受験者であれば、十分解答できる内容です。標準解答を参考に過不足なく記述する練習をするとよいです。
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