電験2種過去問【2021年電力 問2】

【新エネルギー発電】地熱発電の方式《空所問題》

 次の文章は、地熱発電に関する記述である。文中の\(\fbox{空所欄}\)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
 地熱発電は、地下の\(\fbox{(1)}\)に向けて生産井を掘削し、そこから得られる二相流体を用いて蒸気タービンを駆動し発電を行う方式である。
 生産井から得られた二相流体は気水分離器で蒸気と熱水に分けられるが、熱水の割合が比較的大きい場合が多いため、\(\fbox{(2)}\)で圧力を下げ熱水から蒸気を得ることにより、出力増加を図る方式が広く用いられている。そこで得られた蒸気は、気水分離器から得られた蒸気とともに、蒸気タービンで膨張し発電機を回す。またタービン排気は混合復水器を用いて凝縮され、その凝縮水は\(\fbox{(3)}\)で温度を下げ、その一部を復水器の冷却水として用いる方式が広く採用されている。ここに\(\fbox{(3)}\)を用いるのは、地熱発電所では冷却水を得ることが難しい場合が多いことによる。\(\fbox{(2)}\)で分離された熱水は、\(\fbox{(4)}\)を通して地中に戻す。
 なお地熱発電所では、低温の熱水が保有するエネルギーを有効に利用するため、沸点の低い作動媒体を用いてタービンを回す\(\fbox{(5)}\)を採用している例もある。

[問2の解答群]
(イ)\( \displaystyle \text{蒸気井}\)   (ロ)\( \displaystyle \text{マグマ溜まり}\)    (ハ)\( \displaystyle \text{還元井}\)

(ニ)\( \displaystyle \text{コンデンサ}\) (ホ)\( \displaystyle \text{セパレータ}\)     (ヘ)\( \displaystyle \text{コンバインドサイクル}\)

(ト)\( \displaystyle \text{エゼクタ}\)  (チ)\( \displaystyle \text{トータルフロー}\)   (リ)\( \displaystyle \text{フラッシャ}\)

(ヌ)\( \displaystyle \text{熱水井}\)   (ル)\( \displaystyle \text{地熱貯留層}\)     (ヲ)\( \displaystyle \text{冷却塔}\)

(ワ)\( \displaystyle \text{スクラバ}\)  (カ)\( \displaystyle \text{バイナリーサイクル}\) (ヨ)\( \displaystyle \text{高温岩体}\)

解答と解説はこちら

解答

(1):(ル)
(2):(リ)
(3):(ヲ)
(4):(ハ)
(5):(カ)

解説

 地熱発電は、地下の\(\fbox{地熱貯留層}\)に向けて生産井を掘削し、そこから得られる二相流体を用いて蒸気タービンを駆動し発電を行う方式である。
 生産井から得られた二相流体は気水分離器で蒸気と熱水に分けられるが、熱水の割合が比較的大きい場合が多いため、\(\fbox{フラッシャ}\)で圧力を下げ熱水から蒸気を得ることにより、出力増加を図る方式が広く用いられている。そこで得られた蒸気は、気水分離器から得られた蒸気とともに、蒸気タービンで膨張し発電機を回す。またタービン排気は混合復水器を用いて凝縮され、その凝縮水は\(\fbox{冷却塔}\)で温度を下げ、その一部を復水器の冷却水として用いる方式が広く採用されている。ここに\(\fbox{冷却塔}\)を用いるのは、地熱発電所では冷却水を得ることが難しい場合が多いことによる。\(\fbox{フラッシャ}\)で分離された熱水は、\(\fbox{還元井}\)を通して地中に戻す。
 なお地熱発電所では、低温の熱水が保有するエネルギーを有効に利用するため、沸点の低い作動媒体を用いてタービンを回す\(\fbox{バイナリーサイクル}\)を採用している例もある。

関連用語

バイナリーサイクル発電

地熱井から噴出される低温の熱水が保有するエネルギーを有効に利用するため、熱交換器を介して沸点の低い作動媒体を用いてタービンを回す方式。地熱流体と作動媒体の二つの循環系があるためバイナリー発電と呼ぶ。

トータルフロー発電

生産井から噴出する流体を蒸気と熱水に分離せず、直接、膨張機に導いて発電する方式。効率向上が課題となっている。

高温岩体発電

地熱地帯には、地熱流体が存在しない高温岩体がある。この高温岩体に割れ目(フラクチャー)を作り注水することにより、蒸気または熱水を作り、これを取り出して発電する方式。