// google adsence用 電験1種過去問【2013年電力管理 問6】 | 電気主任技術者のいろは

電験1種過去問【2013年電力管理 問6】

2024年2月17日

【送電】送電系統の構成とその特徴《論説問題》

 送電系統の構成は、ループ系統と放射状系統に大別される。それぞれの特徴を、(1)安定度及び電圧安定性、(2)信頼度、(3)潮流運用、(4)短絡電流の観点から対比して説明せよ。

解答と解説はこちら

解答

公式標準解答

(1)安定度及び電圧安定性
ループ系統では、
・送電ルートが複数あるため、安定度、電圧安定性が高く、送電可能電力(送電能力)が大きい。
放射状系統では、
・送電ルートが一つしかないため、安定度、電圧安定性はループ系統ほど高くなく、送電可能電力(送電能力)も大きくない。

(2)信頼度
ループ系統では、
・片方のルートが使えなくなっても、残りのルートで送電でき、信頼度が高い。
・保護システムが適切でないと、事故が系統全体に波及し、広域停電に至る可能性がある。
放射状系統では、
・ルート断により下位系統への送電が完全にできなくなるので、ループ系統ほど信頼度は高くない。
・回線数を増やすことでルート断を防ぐ、あるいは、構成上はループ系統とし、常時運用は放射状系統で事故時に系統切換えを行うことで、信頼度低下を抑えることができる。
・事故が系統全体に波及することはない。

(3)潮流運用
ループ系統では、
・ループ間の潮流を制御することが難しい。
・片方のループが使えなくなったとき、潮流分布が大きく変化する。
放射状系統では、
・潮流制御の必要がない。
・事故時を含み、潮流状況の把握が容易である。

(4)短絡電流
ループ系統では、
・短絡電流が大きくなりやすく、上位定格の遮断器の採用、あるいは、高インピーダンス機器、限流リアクトルなどの採用、上位電圧、母線分割の採用による系統分割などの抑制策が必要となることがある。
放射状系統では、
・短絡電流はループ系統ほど大きくならない。

解説

 送電系統の構成と特徴に関する問題です。類題も多く、一種としては易しい内容です。本問のような特徴を記述できることは勿論、関連する現象やメカニズムもしっかり理解しておく必要があります。


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