3. 送電線事故時の系統安定度の向上: 図の電力相差角曲線を用いて、2回線送電線で1回線3相地絡事故を遮断器で除去し、再閉路によって、安定度が向上されるケースについて、動作点の動きを説明せよ。なお、PⅡは2回線送電中の電力相差角曲線とし、事故発生前は電力 PM を送電し、相差角 δ₀ の交点 a で運転されている。
2回線送電線の1回線三相地絡事故時における高速度再閉路実施時の系統安定度向上の例を示す。図に示す電力相差角曲線で、PⅠ は1回線送電中、PⅡ は2回線送電中、PF は事故発生中の送電電力曲線を表す。 電力 PM を送電し、電気角 δ₀ の交点 a で運転されている平常時から、事故が発生すると、送電電力は瞬時に点 b へと変化し、さらに発電機が加速することにより、相差角 δ は増加する。相差角 δc のところで事故回線の両端の遮断器が遮断したとすると、送電電力は点 e に変化する。さらに相差角 δ は増加するが、相差角 δR で遮断器が再閉路すれば電力曲線は再び PⅡ となって点 g に変化し、δm まで加速後、減速して点 a に戻り安定状態になる。 電力相差角曲線においては、事故除去されるまでに動いた δc までに系統に与えられる加速エネルギー分が面積 a b c d で表され、事故除去後の減速エネルギーが d e f g h i に相当する。
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