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変圧器の学習帳

2022年8月7日

変圧器

変圧器の原理

変圧器の効率

 変圧器の全損失は無負荷損と負荷損の和で表される。無負荷損は変圧器の二次側を開放し、一次側に定格周波数、定格電圧を加えた無負荷試験において、一次側への入力電力を測定することにより得られる。無負荷損は\(\fbox{鉄損}\)であると考えられる。\(\fbox{鉄損}\)は磁界の交番により生じる損失であり、磁束密度が同一のとき、周波数にほぼ比例する\(\fbox{ヒステリシス損}\)と周波数の2乗にほぼ比例する\(\fbox{渦電流損}\)とに分類される。
一方、負荷損は、二次側を短絡し、一次側に定格周波数の定格電流を流した短絡試験において、一次側への入力電力を測定することにより得られる。負荷損を測定したときの電圧は\(\fbox{インピーダンス損}\)とも呼ぶ。
 変圧器の効率\(\eta\)は、二次出力\(P_2\)の一次入力\(P_1\)に対する比で表される。一次入力は二次出力と全損失\(P_L\)の和で表されるから、全損失を測定又は算定すれば次式で効率が求められる。これを\(\fbox{規約}\)効率という。
\(\displaystyle\eta=\frac{P_2}{P_2+P_L}\times 100\)[%]

変圧器の効率η[%]は、入力P1[W]、二次定格出力P2[W]、鉄損Pi[W]、銅損Pc[W]とすると

\(\displaystyle η=\frac{P_2}{P_1}\times 100=\frac{P_2}{P_2+P_i+P_c}\times 100\) [%]

変圧器の最大効率

変圧器の効率は\(\displaystyle P_i=P_c\) のとき、最大となる。

等価回路

変圧器の一次側からみた等価回路は下図となる。

したがって、下図のような理想変圧器は、

一次側に換算すると、下回路と等価であるとみなせ、計算が簡略にできる。

電圧変動率

\(\displaystyle ε=pcos\theta+qsin\theta\) [%]

力率cosθ=1であれば、\(\displaystyle ε=p\) [%]

ここで、

百分率抵抗降下pは

\(\displaystyle p=\frac{r_{21}I_{2n}}{V_{2n}}\times100\) [%]

百分率リアクタンス降下qは

\(\displaystyle q=\frac{x_{21}I_{2n}}{V_{2n}}\times100\) [%]

ただし、\(\displaystyle V_{2n}\)と\(\displaystyle I_{2n}\)はそれぞれ、定格時の二次端子電圧と定格二次電流である。\(\displaystyle r_{21}\)と\(\displaystyle x_{21}\)はそれぞれ、二次側に換算した抵抗と漏れリアクタンスである。

過去問題:
電験3種過去問【2021年機械 問9】(変圧器の電圧変動率)

単巻変圧器

変圧器の一次巻線と二次巻線とを別々の巻線にしないで、一次巻線と二次巻線の一部を共用して使用する変圧器を\(\fbox{単巻変圧器}\)といい、この変圧器の一次、二次に共通した巻線を\(\fbox{分路巻線}\)、共通でない部分を\(\fbox{直列巻線}\)という。

過去問題:
電験2種過去問【2021年機械 問4】(単巻変圧器の二次消費電力計算)

三相変圧器

三相変圧器巻線の結線方式にはY結線(星形結線)と、Δ結線(三角結線)の2種類がある。Y-Y結線は、変圧器の一次側、二次側とも巻線をY結線とする方法である。この結線の特長としては、\(\fbox{中性点接地}\)が採用できるので、巻線の絶縁低減が可能となること、事故検出に十分な地絡電流が流れ保護が容易となることが挙げられる。しかしY-Y結線では、変圧器の励磁電流に含まれる第3次調波による近接通信線への電磁誘導障害などが発生する。
 この第3次調波による障害を解決するために、三巻線変圧器を用いてその結線方式を\(\fbox{Y-Y-Δ結線}\)とすることにより第3次調波の影響を小さくすることができる。この結線は超高圧の変圧器に広く適用されている。
 中低圧でよく使われるY-Δ結線とΔ-Y結線は\(\fbox{Δ結線}\)が励磁電流中の第3次調波成分の還流回路として働き、電流のひずみが小さくなる。
 Δ-Δ結線は、日本では主として77kV以下の変圧器に適用される。この結線方式で独立した単相変圧器3台による場合には、1台の単相変圧器が故障しても健全な2台による\(\fbox{V結線}\)として、最大出力は落ちるものの三相電力の伝達ができる利点がある。欠点としてはΔ-Δ結線では\(\fbox{中性点接地}\)が採用できないため、アーク地絡によって異常電圧が発生すること、\(\fbox{不平衡負荷}\)の場合に巻線に流れる循環電流が大きくなることなどが挙げれられる。