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電験3種過去問【2022年(下期)機械 問8】

2024年1月16日

【変圧器】単相変圧器の無負荷損《計算問題》

 単相変圧器がある。定格二次電圧 200 V において、二次電流が 250 A のときの全損失が 1 525 W であり、同様に二次電圧 200 V において、二次電流が 150 A のときの全損失が 1 125 W であった。この変圧器の無負荷損の値[W]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

\(\small{\begin{array}{cccc} &(1) 400 &(2) 525 &(3) 576 &(4) 900 &(5) 1 000 \\ \end{array}}\)

解答と解説はこちら

解答

(4)が正しい

解説

 単相変圧器がある。定格二次電圧 200 V において、二次電流が 250 A のときの全損失が 1 525 W であり、同様に二次電圧 200 V において、二次電流が 150 A のときの全損失が 1 125 W であった。この変圧器の無負荷損の値[W]を求める。2次側からみた、変圧器の簡易等価回路を考える。

 変圧器の全損失\(P_L\)[W]は以下で与えられる。
ここで、鉄損(無負荷損)\(P_i\)[W]、銅損(負荷損)\(P_c\)[W]である。

 \(\displaystyle P_L≒P_i+P_c\)[W]

 入力電圧および周波数が一定であれば、鉄損(無負荷損)\(P_i\)[W]は一定である。

 題意より、電源電圧は定格電圧のまま変化しないため、求める無負荷損\(P_i\)[W]は二次電流変化の前後で一定である。
 一次側(二次側換算値)巻線抵抗値と二次側巻線抵抗値の合計を\(r=r_1’+r_2\)とすると、銅損(負荷損)\(P_c\)[W]は以下となる。
 \(P_c=I_2^2r\)[W]

 従って、全損失\(P_L\)[W]は以下となる。
 \(P_L=P_i+P_c=P_i+I_2^2r\)[W]

ここで以下のような連立方程式が成立する。

 \(1525=P_i+250^2r\) …①
 \(1125=P_i+150^2r\) …②

 ①-②より、\(r=0.01\)[Ω]となり、\(P_i=900\)[W]が求められる。

したがって、無負荷損\(P_i=900\)[W]である。

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