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電験2種過去問【2015年電力管理 問2】

2022年11月20日

【変電所】電力用半導体を用いた静止形無効電力補償装置《記述問題》

 電力用半導体を用いた静止形無効電力補償装置(SVC、STATCOM)について、次の問に答えよ。
(1)SVCは具体的にどのような目的に用いられるか、系統側、需要側の事例をそれぞれ一つずつ挙げよ。
(2)SVCの代表的な方式であるTCRとTSCについて、それぞれの動作原理と制御の特徴を簡潔に述べよ。
(3)STATCOM(自励式SVCあるいはSVG)の動作原理を述べよ。あわせて、TCR方式のSVCと比較した制御の特徴を簡潔に述べよ。

解答と解説はこちら

解答

(1)SVCは具体的にどのような目的に用いられるか、系統側、需要側の事例をそれぞれ一つずつ挙げよ。

 系統側:
 設置点の送電系統の事故時の電圧維持による同期安定性を向上させるため。
 配電系統の末端など、電源系統の弱い地域において、負荷変動などに起因する電圧変動を抑制するため。

 需要側:
 アーク炉、採石場のクラッシャー等の負荷変動による急激な電圧変動を抑制するため。
 負荷で発生する無効電力をキャンセルして力率を改善するため。

(2)SVCの代表的な方式であるTCRとTSCについて、それぞれの動作原理と制御の特徴を簡潔に述べよ。

 TCR「サイリスタ制御リアクトル方式(Thyristor Controlled Reactor)」は、サイリスタを用いてリアクトル電流の位相制御を行う方式で、誘導性(遅れ)の無効電力を連続的に制御できる。また、並列にコンデンサを接続することにより、進みから遅れの領域にわたる無効電力を連続的に変化させることができる。

 TSC「サイリスタ開閉コンデンサ方式(Thyristor Switched Capacitors)」は、サイリスタを用いてコンデンサの開閉を行う方式で、容量性(進み)の無効電力を制御できる。突入電流が流れない位相でオンオフ制御を行うため、無効電力は段階的にしか制御できない。

(3)STATCOM(自励式SVCあるいはSVG)の動作原理を述べよ。あわせて、TCR方式のSVCと比較した制御の特徴を簡潔に述べよ。

 STATCOM(Static Synchronous Compensator)は、自己消弧素子を用いた自励式変換器を用いることにより、進みから遅れまでの幅広い無効電力補償を、連続かつ高速で行うことができる。TCR方式のSVCに比較して、系統電圧の低下時にも高い補償能力が得られるため、電圧安定性を高める効果に優れる。

解説

なし