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電験3種過去問【2023年(上期)理論 問1】

2024年2月17日

【電磁気】コンデンサの電界・電束密度・電荷《空所問題》

 電極板面積と電極板感覚が共に S〔m²〕と d〔m〕で、一方は比誘電率が εr₁ の誘電体からなる平行平板コンデンサ C₁ と、他方は比誘電率が εr₂ の誘電体からなる平行平板コンデンサC2がある。いま、これらを図のように並列に接続し、端子 A, B 間に直流電圧 V₀〔V〕を加えた。このとき、コンデンサC1の電極板間の電界の強さをE₁〔V/m〕、電束密度をD₁〔C/m²〕、また、コンデンサC2の電極板間の電界の強さE₁〔V/m〕、電束密度をD₂〔C/m²〕とする。両コンデンサの電界の強さE₁〔V/m〕とE₂〔V/m〕はそれぞれ【(ア)】であり、電束密度 D₁〔C/m²〕と電束密度 D₂〔C/m²〕はそれぞれ【(イ)】である。したがって、コンデンサC1に蓄えられる電荷を Q₁〔C〕、コンデンサ C₂ に蓄えられる電荷を Q₂〔C〕とすると、それらはそれぞれ【(ウ)】となる。
 ただし、電極板の厚さ及びコンデンサの端効果は、無視できるものとする。また、真空の誘電率をε₀〔F/m〕とする。
 上記の記述中の空白個所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる式として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

解答と解説はこちら

解答

(4)

解説

電験3種過去問【2009年理論 問1】と全く同一の出題です。

(ア)電界の強さは\(\displaystyle E=\frac{V}{d}\)[V/m]である。
 単位[V/m]からも明らかで、電圧を距離で割ったものとなる。それぞれのコンデンサC₁、C₂にかかる電圧は並列接続であるのでV₀[V]である。したがって、
\(\displaystyle E_1=\frac{V_0}{d}\)
\(\displaystyle E_2=\frac{V_0}{d}\)
となる。

(イ)電束密度D=εE[C/m²]となる。異なる絶縁物間では電界Eはそれぞれ異なるが、電束密度Dはいずれも等しくなる。
 コンデンサC1、C2の誘電体での誘電率はそれぞれ、ε=ε₀εr₁、ε=ε₀εr₂なので、
D₁=ε₀εr₁E₁=\(\displaystyle \frac{ε_0ε_{r1}}{d}V_0\)
D₂=ε₀εr₂E₂=\(\displaystyle \frac{ε_0ε_{r2}}{d}V_0\)
となる。

(ウ)電束密度D[C/m²]は単位面積当たりの電荷であるので、電荷Q[C]=D[C/m²]×S[m²]となる。したがって、
Q₁=D₁S=\(\displaystyle \frac{ε_0ε_{r1}}{d}SV_0\)
Q₂=D₂S=\(\displaystyle \frac{ε_0ε_{r2}}{d}SV_0\)
となる。
【別解】電荷Q=CV[C]である。\(\displaystyle C=ε\frac{S}{d}\)[F]であるので、Q=\(\displaystyle \frac{ε}{d}SV\)となる。したがって
Q₁=D₁S=\(\displaystyle \frac{ε_0ε_{r1}}{d}SV_0\)
Q₂=D₂S=\(\displaystyle \frac{ε_0ε_{r2}}{d}SV_0\)


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