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電験3種過去問【2023年(上期)機械 問17】

2024年1月15日

【電熱】熱伝導に関する計算《計算問題》

 熱伝導について、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
 断面積が 2 m²、厚さが 30 cm、熱伝導率が 1.6 W/(m・K) の両表面間に温度差がある壁がある。ただし、熱流は厚さ方向のみの一次元とする。

(a)この壁の厚さ方向の熱抵抗 R の値 [K/W] に最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)0.0417
(2)0.0938
(3)0.267
(4)2.67
(5)4.17

(b)この壁の低温側の温度 t₂ が 20 ℃ のとき、この壁の熱流Φが 100 W であった。このとき、この壁の高温側の温度 t₁ の値 [℃] に最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)21.0
(2)22.1
(3)24.2
(4)29.4
(5)46.7

解答と解説はこちら

解答

(a):(2)
(b):(4)

解説

熱回路のオームの法則

熱伝導体の、熱抵抗 R [K/W]は、断面積 S [m2]、長さ l [m]の熱伝導率を λ [W/(m・K)]とすると

\(\displaystyle R=\frac{1}{\lambda}・\frac{l}{S}\)[K/W]

熱の移動による熱流 Φ [W]は、温度差を θ [K]とすると、

\(\displaystyle \phi=\frac{\theta}{R}\)[W]

(a)この壁の厚さ方向の熱抵抗 R の値 [K/W] を求める。

題意より、断面積が S=2 m²、厚さが l=0.3 m、熱伝導率が λ=1.6 W/(m・K) であるので、熱抵抗 R [K/W]は、
\(\displaystyle R=\frac{1}{\lambda}・\frac{l}{S}\)
\(\displaystyle  =\frac{1}{1.6}・\frac{0.3}{2}\)
\(\displaystyle  =0.09375\)[K/W]

(b)この壁の低温側の温度 t₂ が 20 ℃ のとき、この壁の熱流Φが 100 W であった。このとき、この壁の高温側の温度 t₁ の値 [℃] を求める。

熱の移動による熱流 Φ [W]は、温度差を θ [K]とすると、
\(\displaystyle \phi=\frac{\theta}{R}\)[W]
∴\(\displaystyle 100=\frac{\theta}{0.09375}\)[W]
∴\(\displaystyle \theta=9.375\)[K]

θ = t₁ – t₂ であるので、
t₁ = θ + t₂ = 29.375 [℃]となる。


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