解答
(a):(4)が正しい
(b):(2)が正しい
解説
電験3種過去問【2024年(上期)電力 問17】に同じ問題が出題されています
(a)開閉器Sは開いた状態であるので、A-D間にはD点の負荷電流と、C点の負荷電流の合計90Aが流れている。またD-C間にはC点の負荷電流30Aが流れている。
A-D間の電線1線当たりの抵抗RADは0.2Ω/kmであるので、RAD=0.2×2.0=0.4[Ω]。A-D間の電圧降下は0.4[Ω]×90[A]=36[V]となる。
次に、D-C間の電線1線当たりの抵抗RDC=0.2×1.5=0.3[Ω]。D-C間の電圧降下は0.3[Ω]×30[A]=9[V]となる。
従って、A点から見たC点の電圧降下の値は、A-D間の電圧降下36[V]とD-C間の電圧降下9[V]の和となり、45[V]となる。ただし、これは1相あたりの電圧降下であるので、相間電圧を求めると、√3×45=77.9[V]が相間電圧の電圧降下となる。
(b)開閉器Sを投入した場合、それぞれの区間の電線1本当たりの抵抗値は、A-B間は0.3[Ω]、B-C間は0.3[Ω]、C-D間は0.3[Ω]、D-A間は0.4[Ω]となる。
B点の負荷電流40Aは、A-B間の0.3Ωと、A-D-C-B間の1.0Ωの並列抵抗を介して流れることになる。したがって、B点の負荷電流によって開閉器Sを流れる電流iBは図中の方向を正とすると、
iB=-40×0.3/(0.3+1.0)=-9.2[A]
同様にして、C点の負荷電流30Aは、A-B-C間の0.6Ωと、A-D-C間の0.7Ωの並列抵抗を介して流れることになる。したがって、C点の負荷電流によって開閉器Sを流れる電流iCは図中の方向を正とすると、
iC=30×0.7/(0.6+0.7)=16.2[A]
同じく、D点の負荷電流60Aは、A-B-C-D間の0.9Ωと、A-D間の0.4Ωの並列抵抗を介して流れることになる。したがって、D点の負荷電流によって開閉器Sを流れる電流iDは図中の方向を正とすると、
iD=60×0.4/(0.9+0.4)=18.5[A]
それぞれの負荷電流による開閉器Sを流れる電流を合成すると、
i=iB+iC+iD=-9.2+16.2+18.5=25.5[A]
したがって、開閉器Sを流れる電流は25.4[A]が最も近い。
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