電験3種過去問【2020年電力 問17】

2020年11月20日

【配電】配電線路の電圧降下と電流《計算問題》

 図のような系統構成の三相3線式配電線路があり、開閉器Sは開いた状態にある。各配電線のB点、C点、D点には図のとおり負荷が接続されており、各点の負荷電流はB点40A、C点30A、D点60A一定とし、各負荷の力率は100%とする。
 各区間のこう長はA-B間1.5km、B-S(開閉器)間1.0km、S(開閉器)-C間0.5km、C-D間1.5km、D-A間2.0kmである
 ただし、電線1線当たりの抵抗は0.2Ω/kmとし、リアクタンスは無視するものとして、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a)電源A点から見たC点の電圧降下の値[V]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし、電圧は相間電圧とする。

(1)41.6 (2)45.0 (3)57.2 (4)77.9 (5)90.0

(b)開閉器Sを投入した場合、開閉器Sを流れる電流iの値[A]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)20.0 (2)25.4 (3)27.5 (4)43.8 (5)65.4

解答と解説はこちら

解答 

(a):(4)

(b):(2)

解説

(a)開閉器Sは開いた状態であるので、A-D間にはD点の負荷電流と、C点の負荷電流の合計90Aが流れている。またD-C間にはC点の負荷電流30Aが流れている。

A-D間の電線1線当たりの抵抗RADは0.2Ω/kmであるので、RAD=0.2×2.0=0.4[Ω]。A-D間の電圧降下は0.4[Ω]×90[A]=36[V]となる。

次に、D-C間の電線1線当たりの抵抗RDC=0.2×1.5=0.3[Ω]。D-C間の電圧降下は0.3[Ω]×30[A]=9[V]となる。

従って、A点から見たC点の電圧降下の値は、A-D間の電圧降下36[V]とD-C間の電圧降下9[V]の和となり、45[V]となる。ただし、これは1相あたりの電圧降下であるので、相間電圧を求めると、√3×45=77.9[V]が相間電圧の電圧降下となる。

 

(b)開閉器Sを投入した場合、それぞれの区間の電線1本当たりの抵抗値は、A-B間は0.3[Ω]、B-C間は0.3[Ω]、C-D間は0.3[Ω]、D-A間は0.4[Ω]となる。

B点の負荷電流40Aは、A-B間の0.3Ωと、A-D-C-B間の1.0Ωの並列抵抗を介して流れることになる。したがって、B点の負荷電流によって開閉器Sを流れる電流iBは図中の方向を正とすると、

 iB=-40×0.3/(0.3+1.0)=-9.2[A]

同様にして、C点の負荷電流30Aは、A-B-C間の0.6Ωと、A-D-C間の0.7Ωの並列抵抗を介して流れることになる。したがって、C点の負荷電流によって開閉器Sを流れる電流iCは図中の方向を正とすると、

 iC=30×0.7/(0.6+0.7)=16.2[A]

同じく、D点の負荷電流60Aは、A-B-C-D間の0.9Ωと、A-D間の0.4Ωの並列抵抗を介して流れることになる。したがって、D点の負荷電流によって開閉器Sを流れる電流iDは図中の方向を正とすると、

 iD=60×0.4/(0.9+0.4)=18.5[A]

それぞれの負荷電流による開閉器Sを流れる電流を合成すると、

 i=iB+iC+iD=-9.2+16.2+18.5=25.5[A]

したがって、開閉器Sを流れる電流は25.4[A]が最も近い。