電験3種過去問【2020年電力 問16】

2020年11月20日

【送電】送電線路の送電損失《計算問題》

 こう長25kmの三相3線式2回線送電線路に、受電端電圧が22kV、遅れ力率0.9の三相平衡負荷5000kWが接続されている。次の(a)及び(b)の問に答えよ。ただし、送電線は2回線運用しており、与えられた条件以外は無視するものとする。 (a)送電線1線当たりの電流の値[A]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし、送電線は単導体方式とする。

(1)42.1 (2)65.6 (3)72.9 (4)126.3 (5)145.8

(b)送電損失を三相平衡負荷に対し5%以下にするための送電線1線の最小断面積の値[mm2]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし、使用電線は、断面積1mm2 長さ1m当たりの抵抗を1/35Ωとする。

(1)31 (2)46 (3)74 (4)92 (5)183

解答と解説はこちら

解答 

(a):(3)

(b):(4)

解説

(a)送電線の線電流をI[A]、線間電圧をV[V]、力率をcosθ、有効電力をP[W]とするとPは次式で与えられる。

 P=√3VIcosθ[W]

上式に題意を当てはめると、5000×103=√3×22×103×I×0.9となり、これを解くと

 I=145.8[A]

線電流I=145.8Aであるが、2回線送電線路(線電流は2回線に分かれて流れる)であるので、送電線1線あたりの電流の値は、145.8/2=72.9[A]となる。

 

(b)三相平衡負荷5000kWに対する5%の損失は250kWであるので、送電損失が250kWになる断面積A[mm2]を求める。断面積1mm2 長さ1m当たりの抵抗は1/35Ωであるので、こう長25kmの送電線1線の抵抗値は、25000÷35÷A=714.3/A[Ω]となる。1線あたりの損失PL1[W]は

 PL1=(72.9)2×714.3/A=3796/A×103[W]

3線2回線で送電していて、送電線は6本あるので、送電損失PL

 PL=6×PL1=22776/A×103[W]

PL=250×103[W]となる条件は、

 PL=250×103=22776/A×103[W]

 ∴A=91.1[mm2]となる。

よって、最も近い最小断面積は92[mm2]である。