// google adsence用 電験3種過去問【2017年理論 問3】 | 電気主任技術者のいろは

電験3種過去問【2017年理論 問3】

2022年4月24日

【電磁気】コイルの相互インダクタンス《計算問題》

 環状鉄心に、コイル1及びコイル2が巻かれている。二つのコイルを図1のように接続したとき、端子A-B間の合成インダクタンスの値は1.2Hであった。次に図2のように接続したとき、端子C-D間の合成インダクタンスの値は2.0Hであった。このことから、コイル1の自己インダクタンスLの値[H]、コイル1及びコイル2の相互インダクタンスMの値[H]の組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
 ただし、コイル1及びコイル2の自己インダクタンスはともにL[H]、その巻数をNとし、また、鉄心は等断面、等質であるとする。 

  自己インダクタンスL 相互インダクタンスM
(1) 0.4 0.2
(2) 0.8 0.2
(3) 0.8 0.4
(4) 1.6 0.2
(5) 1.6 0.4
解答と解説はこちら

解答

(2)

解説

1次コイルL1[H]と2次コイルL2[H]がつくる磁界が、磁気的に接続され、同じ大きさの電流が流れるように接続されているとき、磁界の向きが同じになる接続方法を和動接続という。この時の、合成インダクタンスの値LS[H]は、1次コイルL1[H]と2次コイルL2[H]がそれぞれつくる相互インダクタンスをM[H]とすると、

 LS=L1+L2+2M[H]

また、磁界の向きが逆になるような接続方法を差動接続という。この時の、合成インダクタンスの値LD[H]は、

 LD=L1+L2-2M[H]

 いま、図1に電流を流した時、アンペアの右ねじの法則によると、それぞれのコイルが作る磁界の向きは逆となり、差動接続である。したがって、

 LD=L1+L2-2M[H] ∴1.2=2L-2M …(1)

 次に、図2に電流を流した時、アンペアの右ねじの法則によると、それぞれのコイルが作る磁界の向きは同じとなり、和動接続である。したがって、

 LS=L1+L2+2M[H] ∴2.0=2L+2M …(2)

 上式の(2)-(1)より

 0.8=4M ∴M=0.8/4=0.2[H] …(3)

 (3)を(1)式に代入すると

 1.2=2L-2(0.2) ∴2L=1.6 ∴L=0.8[H]

 従って、コイルの自己インダクタンスL=0.8[H]、相互インダクタンスM=0.2[H]となる。