解答
公式標準解答
- 低圧制御回路の絶縁設計に配慮すべき電圧サージを三つ挙げ、それらが制御回路へどのような経路で侵入するかについて、それぞれ説明せよ。
経路:低圧制御回路の絶縁設計で配慮すべき異常電圧はサージ性電圧であり、雷サージ、主回路開閉サージ、直流回路開閉サージに分類され、下記のように低圧制御回路に侵入する。
- 雷サージ:
・電気所の母線、接地線などに雷サージ電流が流れ、近接する制御ケーブルに誘導により移行する。
・計器用変成器の一次側雷サージ電圧、電流が二次回路に誘導により移行する。
・電気所の接地系に雷サージ電流が流入し、流入点の接地電位が上昇、近接する制御ケーブルに誘導により移行する。
- 主回路開閉サージ:
・遮断器や断路器の開閉で主回路に発生した開閉サージが計器用変成器の二次回路に誘導により移行する。
・GIS機器において、発生した開閉サージが接地電位を変動させ、近接する制御ケーブルに誘導により移行する。
- 直流回路開閉サージ:
・低圧制御回路である直流回路の容量性や誘導性の負荷を接点で開放するときに発生する。
上記の三つの他、次の「地絡サージ」も別解とする。
- 地絡サージ:
・ケーブル系統における地絡事故初期のサージ電流が計器用変成器の二次回路に誘導により移行する。
- 電気所内で、上記 1. で挙げたサージに対して、サージ発生源における対策と配電盤における対策をそれぞれ具体的に述べよ。
- サージ発生源における対策:
- 金属シース付きケーブルを採用し、シースの両端を接地する。雷サージ、断路器開閉サージを低減する最も効果的な対策である。
- 低圧制御ケーブルは施工時に高電圧主回路の導線から距離を置く。
- 直流回路では、リレー回路のコイルに並列コンデンサやダイオードなどを接続し、開閉サージ電圧の発生を抑制する。
- 配電盤における対策:
- 避雷器又はコンデンサなどのサージ吸収装置を盤側端子に接続し、盤内へのサージ侵入を阻止する。
- 絶縁変圧器、中和コイルなどによって、盤側へのサージ侵入を阻止する。
解説
低圧回路への絶縁設計に関する問題です。一種学習者には難しい内容ではないはずです。しっかり知識を出し切れるようにしましょう。送電線等の絶縁設計の考え方と併せて、しっかり内容を理解しておきましょう。
難易度3(★★★☆☆)
追加学習は変電所の学習帳で
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