// google adsence用 電験3種過去問【2018年理論 問2】 | 電気主任技術者のいろは

電験3種過去問【2018年理論 問2】

2022年4月24日

【電磁気】平行平板コンデンサの電界《空所問題》

 極板間距離d0[m]の平行板空気コンデンサの極板間電圧を一定とする。
 極板と同形同面積の個体誘電体(比誘電率εr>1、厚さd1[m]<d0[m])を極板と平行に挿入すると、空気ギャップの電界の強さは、個体誘電体を挿入する前の値と比べて【(ア)】。
 また、極板と同形同面積の導体(厚さd2[m]<d0[m])を極板と平行に挿入すると、空気ギャップの電界の強さは、導体を挿入する前の値と比べて【(イ)】。
 ただし、コンデンサの端効果は無視できるものとする。

 上記の記述中の空白個所(ア)及び(イ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから正しいものを一つ選べ。

  (ア) (イ)
(1) 強くなる 強くなる
(2) 強くなる 弱くなる
(3) 弱くなる 強くなる
(4) 弱くなる 弱くなる
(5) 変わらない 変わらない
解答と解説はこちら

解答

(1)

解説

題意より、極板の面積はS[m2]、極板間電圧はV[V]で一定。
挿入前の、空気ギャップの電界E0[V/m]は

E0=V/d0

厚さd1の個体誘電体を挿入したとき、
挿入後の極板静電容量C1

1/C1=d1/(εrε0S)+(d0-d1)/(ε0S)={εrd0+(1-εr)d1}/(εrε0S)
C1=(εrε0S)/{εrd0+(1-εr)d1}

各極板に蓄えられる電荷Q1
Q1=C1V=(εrε0S)V/{εrd0+(1-εr)d1}

極板間の電束密度D1
D1=Q1/S
このときの、空気ギャップの電界E1

E1=D10=Q1/(Sε0)=εrV/{εrd0+(1-εr)d1}
=εrV/{εrd0+(1-εr)d1}×(d0/d0)=εrd0/{εrd0+(1-εr)d1}×E0

上式の(1-εr)はεr>1よりマイナスとなりE0の係数は分母が小さくなるためE1>E0となる。

厚さd2の導体を挿入したとき、導体部はギャップを縮めていると考えられるので
挿入後の極板静電容量C2

1/C2=(d0-d2)/(ε0S)
C2=(ε0S)/(d0-d2)

各極板に蓄えられる電荷Q2
Q2=C2V=(ε0S)V/(d0-d2)
電束密度D2=Q2/S
空気ギャップの電界E2

E2=D20=Q2/(Sε0)=V/(d0-d2)
=V/(d0-d2)×(d0/d0)=d0/(d0-d2)×E0

上式の(d0-d2)は(d2<d0)よりE0の係数は分母が小さくなるためE2>E0となる。