// google adsence用 電験1種過去問【2018年電力管理 問1】 | 電気主任技術者のいろは

電験1種過去問【2018年電力管理 問1】

2024年2月17日

【火力発電】汽力発電方式での効率に影響する運転項目《論説問題》

 化石燃料を使用する現用の汽力発電方式で、蒸気タービンとボイラの効率に影響する運転時の管理項目を「蒸気温度・蒸気圧力」以外に三つ挙げ、どのように制御すれば効率を高めることができるか、損失の増加や設備への影響などの問題点と併せて説明せよ。

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解答

公式標準解答

 化石燃料を使用する現用の汽力発電方式で、蒸気タービンとボイラの効率に影響する運転時の管理項目を「蒸気温度・蒸気圧力」以外に三つ挙げ、どのように制御すれば効率を高めることができるか、損失の増加や設備への影響などの問題点と併せて説明せよ。➡

  1. 「ボイラ排ガス中の酸素濃度」(=過剰空気率)
     過剰空気率が適正であるときは燃料が完全燃焼するため効率が高まる。大きすぎるとボイラ内の燃焼温度が下がり、排ガス損失が増加する。小さすぎると不完全燃焼となり未燃損失が増加する。
  2. 「空気予熱器出口排ガス温度」(=排ガス温度)
     空気予熱器で燃焼用空気を予熱すれば炉内温度が高くなり、燃料の蒸発量、燃焼速度が増加するため、燃料が完全燃焼し効率が高まるとともに、排ガスの熱を利用して空気を加熱することで効率は上昇する。また、排ガスの熱を利用し、節炭器で給水を加熱すると効率を向上することができる。排ガス温度が高くなると排出エネルギーが増加し、低すぎると空気予熱器や節炭器の低温部腐食が多くなる。
  3. 「復水器真空度」(=真空度)
     復水器の真空度を増加させればタービン出口蒸気の排気圧が低くなり排出エネルギーが小さくなるため、タービンの熱落差を増加させることとなり、効率は向上する。真空度を高めれば効率は上昇するが、復水が過剰に冷却されるため、効率は低下する。他にも真空度が高いことによるタービン振動の増加も懸念される。

解説

 汽力発電所の構成・制御・熱効率に関する論説問題で、多くの類題が出題されています。どのような内容が問われても簡潔に解答できるように繰り返し練習しておく必要があります。


追加学習は火力発電の学習帳

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