電験3種過去問【2010年機械 問1】

【直流機】直流電動機の速度・トルク制御《空所問題》

 直流電動機の速度とトルクを次のように制御することを考える。
 損失と電機子反作用を無視した場合、直流電動機では電機子巻線に発生する起電力は、界磁磁束と電機子巻線との相対速度に比例するので、【(ア)】では、界磁電流一定、すなわち磁束一定条件下で電機子電圧を増減し、電機子電圧に回転速度が【(イ)】するように回転速度を制御する。この電動機では界磁磁束一定条件下で電機子電流を増減し、電機子電流とトルクとが【(ウ)】するようにトルクを制御する。この電動機の高速運転では電機子電圧一定の条件下で界磁電流を増減し、界磁磁束に回転速度が【(エ)】するように回転速度を制御する。このように広い速度範囲で速度とトルクを制御できるので、【(ア)】は圧延機の駆動などに広く使われてきた。

 上記の記述中の空白個所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる語句として、正しいものを組み合わせたのは次のうちどれか。

  (ア) (イ) (ウ) (エ)
(1) 直巻電動機 反比例 比例 比例
(2) 直巻電動機 比例 比例 反比例
(3) 他励電動機 反比例 反比例 比例
(4) 他励電動機 比例 比例 反比例
(5) 他励電動機 比例 反比例 比例

解答と解説はこちら

解答

(4)

解説

 損失と電機子反作用を無視した場合、直流電動機では電機子巻線に発生する起電力は、界磁磁束と電機子巻線との相対速度に比例するので、(ア)他励電動機では、界磁電流一定、すなわち磁束一定条件下で電機子電圧を増減し、電機子電圧に回転速度が(イ)比例するように回転速度を制御する。この電動機では界磁磁束一定条件下で電機子電流を増減し、電機子電流とトルクとが(ウ)比例するようにトルクを制御する。この電動機の高速運転では電機子電圧一定の条件下で界磁電流を増減し、界磁磁束に回転速度が(エ)反比例するように回転速度を制御する。このように広い速度範囲で速度とトルクを制御できるので、(ア)他励電動機は圧延機の駆動などに広く使われてきた。

 端子電圧V[V]、界磁磁束Φ[Wb]、電機子電流Ia[A]、電機子抵抗Ra[Ω]とすると、電機子の回転速度n[rpm]は次式で表される。

$$n= \frac{V-R_{a}I_{a}}{KΦ}$$

 直流電動機の回転速度は、1極の磁束Φ[Wb]を一定としたとき、端子電圧V[V]に比例する。(電機子抵抗をRa[Ω]は非常に小さいため、電機子電流Ia[A]の影響は無視できる)

 電機子電流をIa[A]、1極あたりの磁束をΦ[Wb]とすると、電機子を回転させるトルクT[N・m]は次式となる。

$$T= K_1ΦI_a$$

 直流電動機のトルクは、1極の磁束Φ[Wb]を一定としたとき、電機子電流Ia[A]に比例する。