電験3種過去問【2019年法規 問12】

【調相設備による力率改善】進相コンデンサでの力率計算《計算問題》

 三相3線式の高圧電路に300kW、遅れ力率0.6の三相負荷が接続されている。この負荷と並列に進相コンデンサ設備を接続して力率改善を行うものとする。進相コンデンサ設備は図に示すように直列リアクトル付三相コンデンサとし、直列リアクトルSRのリアクタンスXL[Ω]は、三相コンデンサSCのリアクタンスXC[Ω]の6%とするとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a)進相コンデンサ設備を高圧電路に接続したときに三相コンデンサSCの端子電圧の値[V]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)6410 (2)6795 (3)6807 (4)6995 (5)7021

(b)進相コンデンサ設備を負荷と並列に接続し、力率を遅れ0.6から遅れ0.8に改善した。このとき、この設備の三相コンデンサSCの容量の値[kvar]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)170 (2)180 (3)186 (4)192 (5)208

解答と解説はこちら

解答 

(a):(5)

(b):(3)

解説

(a)進相コンデンサ設備を高圧電路に接続したとき、1相分は下図のような回路になる。

SCの端子電圧VC[V]を求める。題意より、XL[Ω]はXC[Ω]の6%であるので、

 XL=0.06XC 

進相コンデンサ設備の合成リアクタンスXLC[Ω]は、

 XLC=jXL-jXC=j0.06XC-jXC=-j0.94XC[Ω]

進相コンデンサを流れる電流ILC[A]は、

 ILC=6600/(-j0.94XC)=j6600/(0.94XC)[A]

求めるSCの端子電圧VC[V]は、

 VC=-jXC×ILC=-jXC×j6600/(0.94XC)=6600/0.94=7021[V]

それぞれの、電流と電圧の関係は下図のようになる。

 

(b)有効電力300kWで遅れ力率0.6のとき、皮相電力は300/0.6=500[kVA]となる。このときの無効電力は√(5002-3002)=400[kVar]となる。

有効電力300kWで遅れ力率0.8に改善したとき、皮相電力は300/0.8=375[kVA]となる。このときの無効電力は√(3752-3002)=225[kVar]となる。

これらの関係は下図のようになる。

上図のように、力率0.6から0.8へ改善するには、400-225=175[kVar]の無効電力が進相コンデンサから供給されている。前問(a)のベクトル図からわかるように、VLとVCは逆向き(VL<VC)であり、その大きさの比は、供給する無効電力大きさの比と等しい。従って、コンデンサSCの容量QSC[kVar]は、

 (VC-VL):VC=(1-0.06):1=0.94:1=175[kVar]:QSC[kVar]

 QSC=175/0.94=186[kVar]