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電験3種過去問【2012年法規 問10】

2022年5月1日

【電気設備技術基準の解釈】B種接地工事の接地抵抗値の上限《計算問題》

 公称電圧 6600 [V] の三相3線式中性点非接地方式の架空配電線路(電線はケーブル以外を使用)があり、そのこう長は 20 [km] である。この配電線路に接続される柱上変圧器の低圧電路側に施設される B 種接地工事の接地抵抗値 [Ω] の上限として、「電気設備技術基準の解釈」に基づき、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
 ただし、高圧電路と低圧電路の混触により低圧電路の対地電圧が150 [V] を超えた場合に、1秒以内に自動的に高圧電路を遮断する装置を施設しているものとする。
 なお、高圧配電線路の1線地絡電流\(I_1\) [A] は、次式によって求めるものとする。

 \(\displaystyle I_1=1+\frac{\frac{V}{3}L-100}{150}\) [A]

 V は、配電線路の公称電圧を1.1で除した電圧 [kV] 
 L は、同一母線に接続される架空配電線路の電線延長 [km]

(1)75
(2)150
(3)225
(4)300
(5)600

解答と解説はこちら

解答

(4)

解説

【電気設備技術基準の解釈 第17条(接地工事の種類及び施設方法)】の2項

1線地絡電流\(I_1\) [A] は、

 \(\displaystyle I_1=1+\frac{\frac{V}{3}L-100}{150}\) [A] 
 \(\displaystyle V=\frac{6.6}{1.1}=6\) [kV] 
 \(\displaystyle L=20\times3=60\) [km] 

\(\displaystyle I_1=1+\frac{\frac{6}{3}\times60-100}{150}=1.13\) [A] 

「計算結果は、小数点以下を切り上げ、2A未満となる場合は2Aとする。」

と規定されているため

 \(\displaystyle I_1=2\) [A] 

高圧又は35,000V以下の特別高圧の電路と低圧電路を結合するもので
当該変圧器の高圧側又は特別高圧側の電路と低圧側の電路との混触により、低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合に、自動的に高圧又は特別高圧の電路を遮断する装置を設ける場合の遮断時間が1秒以下の場合
接地抵抗値は\(\displaystyle \frac{600}{I_g}\) [Ω]以下

 と規定されているため、B種接地抵抗値は

 \(R_B=\frac{600}{I_1}=300\)[Ω]が上限となる。