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電験3種過去問【2012年法規 問9】

2022年5月1日

【電気設備技術基準の解釈】低圧屋内幹線に使用する電線と遮断器の組合せ《計算問題》

 次の文章は、「電気設備技術基準の解釈」に基づく、低圧屋内幹線に使用する電線の許容電流とその幹線を保護する遮断器の定格電流との組み合わせに関する工事例である。ここで、当該低圧幹線に接続する負荷のうち、電動機又はこれに類する起動電流が大きい電気機械器具を「電動機等」という。

  1.  電動機等の定格電流の合計が40[A]、他の電気使用機械器具の定格電流の合計が30[A]のとき、許容電流\(\fbox{(ア)}\)[A]以上の電線と定格電流が\(\fbox{(イ)}\)[A]以下の過電流遮断器とを組み合わせて使用した。
  2.  電動機等の定格電流の合計が20[A]、他の電気使用機械器具の定格電流の合計が50[A]のとき、許容電流\(\fbox{(ウ)}\)[A]以上の電線と定格電流が100[A]以下の過電流遮断器とを組み合わせて使用した。
  3.  電動機等の定格電流の合計が60[A]、他の電気使用機械器具の定格電流の合計が0[A]のとき、許容電流66[A]以上の電線と定格電流が\(\fbox{(エ)}\)[A]以下の過電流遮断器とを組み合わせて使用した。

 上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

\(\small{\begin{array}{ccccc}
&(ア)&(イ)&(ウ)&(エ)\\
\hline(1)&85&150&75&200\\
\hline(2)&85&160&70&165\\
\hline(3)&80&160&75&165\\
\hline(4)&80&150&70&200\\
\hline(5)&80&150&70&165\\
\hline\end{array}}\)

解答と解説はこちら

解答

(5)

解説

【電気設備技術基準の解釈第148条:低圧幹線の施設】の1項二号によると

 電線の許容電流は、低圧幹線の各部分ごとに、その部分を通じて供給される電気使用機械器具の定格電流の合計値以上であること。ただし、当該低圧幹線に接続する負荷のうち、電動機等の定格電流の合計が、他の電気使用機械器具の定格電流の合計より大きい場合は、他の電気使用機械器具の定格電流の合計に次の値を加えた値以上であること。

イ  電動機等の定格電流の合計が50A以下の場合は、その定格電流の合計の1.25倍
ロ  電動機等の定格電流の合計が50Aを超える場合は、その定格電流の合計の1.1倍

また、【電気設備技術基準の解釈第148条:低圧幹線の施設】の1項五号によると

 前号の規定における「当該低圧幹線を保護する過電流遮断器」は、その定格電流が、当該低圧幹線の許容電流以下のものであること。ただし、低圧幹線に電動機等が接続される場合の定格電流は、次のいずれかによることができる。

イ  電動機等の定格電流の合計の3倍に、他の電気使用機械器具の定格電流の合計を加えた値以下であること。
ロ  イの規定による値が当該低圧幹線の許容電流を2.5倍した値を超える場合は、その許容電流を2.5倍した値以下であること。
ハ  当該低圧幹線の許容電流が100Aを超える場合であって、イ又はロの規定による値が過電流遮断器の標準定格に該当しないときは、イ又はロの規定による値の直近上位の標準定格であること。

 電動機等の定格電流を\(I_M\)、他の電気使用機械器具の定格電流を\(I_H\)、許容電流を\(I_C\)、過電流遮断器の最大値を\(I_B\)とすると

 a. の場合、\(I_M>I_H\)であり、\(I_M≦50\)[A]であるので

\(I_C=I_M\times1.25+I_H\)
\( =40\times1.25+30=80\)[A]

\(I_B=I_M\times3+I_H\)
\( =40\times3+30=150\)[A]

 b. の場合、\(I_M<I_H\)であるので、

\(I_C=I_M+I_H\)
\( =20+50=70\)[A]

\(I_B=I_M\times3+I_H\)
\( =20\times3+50=110\)[A]

 c. の場合、\(I_M>I_H\)であり、\(I_M>50\)[A]であるので

\(I_C=I_M\times1.1+I_H\)
\( =60\times1.1+0=66\)[A]

\(I_B’=I_M\times3+I_H\)
\( =60\times3+0=180\)[A]※\(I_B’=180\)[A]は
\(I_C\times2.5=66\times2.5=165\)[A]を超えるため、
\(I_B=165\)[A]

したがって、

  1.  電動機等の定格電流の合計が40[A]、他の電気使用機械器具の定格電流の合計が30[A]のとき、許容電流\(\fbox{(ア)80}\)[A]以上の電線と定格電流が\(\fbox{(イ)150}\)[A]以下の過電流遮断器とを組み合わせて使用した。
  2.  電動機等の定格電流の合計が20[A]、他の電気使用機械器具の定格電流の合計が50[A]のとき、許容電流\(\fbox{(ウ)70}\)[A]以上の電線と定格電流が100[A]以下の過電流遮断器とを組み合わせて使用した。
  3.  電動機等の定格電流の合計が60[A]、他の電気使用機械器具の定格電流の合計が0[A]のとき、許容電流66[A]以上の電線と定格電流が\(\fbox{(エ)165}\)[A]以下の過電流遮断器とを組み合わせて使用した。