// google adsence用 電験2種過去問【2020年理論 問7】 | 電気主任技術者のいろは

電験2種過去問【2020年理論 問7】

2022年6月26日

【電子回路】半導体内の電子の移動速度と電流計算《空所問題》

 次の文章は、半導体内の電気伝導に関する記述である。文中の\(\fbox{空所欄}\)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。なお、電子の電荷量の大きさをeとする。
  断面積がS、長さがLの円柱のn形半導体の両端に、大きさがVの直流電圧を加えた。電圧によって半導体中に一様な電界が形成されるとする、その電界Eの大きさはE=\(\fbox{(1)}\)であり、電子は、力の大きさF=\(\fbox{(2)}\)で加速される。電子の有効質量を\(m_e\)とすると、加速度の大きさは\(\fbox{(3)}\)となる。半導体中で加速された電子は散乱を受けて加速が弱まり、最終的に一定の速度\(v\)で運動する定常状態となる。散乱により減速する向きに働く力の大きさは\(v\)に比例し、その比例定数を\(\displaystyle \frac{m_e}{\tau}\)と仮定すると、力の釣り合いの関係式から、\(v\)と電圧Vの関係が、\(e,m_e,\tau\)及びLを用いて、\(v\)=\(\fbox{(4)}\)Vと表される。なお、\(\tau\)は電子が散乱を受けるまでの時間の目安となる。
 半導体中の電子濃度をnとすると、この半導体を流れる電流Iは、電圧Vと、\(e,m_e,\tau,S,L\)等を用いて、I=
\(\fbox{(5)}\)と表すことができる。 

[問7の解答群]

\(\small{\begin{array}{ccc}
(イ)&\displaystyle\frac{e}{m_e\tau L}&(ロ)&\displaystyle\frac{V}{L}&(ハ)&\displaystyle\frac{nm_eS}{\tau L}V\\
(ニ)&\displaystyle\frac{eV}{2m_e L}&(ホ)&\displaystyle\frac{eV}{L}&(ヘ)&\displaystyle\frac{e\tau}{m_e L}\\
(ト)&\displaystyle\frac{V}{2L}&(チ)&\displaystyle\frac{e^2n\tau S}{m_eL}V&(リ)&\displaystyle\frac{eL}{m_eV}\\
(ヌ)&\displaystyle\frac{L}{V}&(ル)&\displaystyle\frac{en\tau S}{m_eL}V&(ヲ)&\displaystyle\frac{eV}{L^2}\\
(ワ)&\displaystyle\frac{eV}{m_eL}&(カ)&\displaystyle\frac{L}{eV}&(ヨ)&\displaystyle\frac{m_e}{e\tau L}\\
\end{array}}\)

解答と解説はこちら

解答

\(\small{\begin{array}{cc}
\hline(1)&(ロ)&\displaystyle\frac{V}{L}\\
\hline(2)&(ホ)&\displaystyle\frac{eV}{L}\\
\hline(3)&(ワ)&\displaystyle\frac{eV}{m_eL}\\
\hline(4)&(ヘ)&\displaystyle\frac{e\tau}{m_e L}\\
\hline(5)&(チ)&\displaystyle\frac{e^2n\tau S}{m_eL}V\\
\hline\end{array}}\)

解説

  断面積がS、長さがLの円柱のn形半導体の両端に、大きさがVの直流電圧を加えた。電圧によって半導体中に一様な電界が形成されるとする、その電界Eの大きさはE=\((ロ)\displaystyle\frac{V}{L}\)であり、電子は、力の大きさF=\((ホ)\displaystyle\frac{eV}{L}\)で加速される。電子の有効質量を\(m_e\)とすると、加速度の大きさは\((ワ)\displaystyle\frac{eV}{m_eL}\)となる。半導体中で加速された電子は散乱を受けて加速が弱まり、最終的に一定の速度\(v\)で運動する定常状態となる。散乱により減速する向きに働く力の大きさは\(v\)に比例し、その比例定数を\(\displaystyle \frac{m_e}{\tau}\)と仮定すると、力の釣り合いの関係式から、\(v\)と電圧Vの関係が、\(e,m_e,\tau\)及びLを用いて、

\(\displaystyle F=\frac{eV}{L}=\frac{m_e}{\tau}v\)

\(\displaystyle v=(ヘ)\frac{e\tau}{m_eL}V\)

と表される。なお、\(\tau\)は電子が散乱を受けるまでの時間の目安となる。
 半導体中の電子濃度をnとすると、この半導体を流れる電流Iを、電圧Vと、\(e,m_e,\tau,S,L\)等を用いて表す。

長さがLの半導体内部を、速度v、電荷eの電子が移動するとき、1秒間に移動する電荷量は

\(\displaystyle e\frac{v}{L}\)[C/s]

半導体内部の電子の数は、電子の濃度がnであるので

\(\displaystyle nsL\)[個]

流れる電流は1秒間に移動する電荷量であるので、

\(\displaystyle I=nSLe\frac{v}{L}\)

\(\displaystyle =nSe\frac{e\tau}{m_eL}V\)

\(\displaystyle I=(チ)\frac{e^2n\tau S}{m_eL}V\)

と表すことができる。