// google adsence用 電験1種過去問【2017年電力管理 問2】 | 電気主任技術者のいろは

電験1種過去問【2017年電力管理 問2】

2024年2月17日

【施設管理】油入変圧器の内部絶縁材料《論説問題》

 油入変圧器の内部絶縁には、絶縁油と絶縁紙(クラフト紙)などのセルロース系絶縁材料が使用されている。これら絶縁材料について次の問に答えよ。

  1.  絶縁油には一般に鉱油が使用されているが、絶縁油が吸湿したり、空気に長時間さらされると絶縁性能が低下する。この場合の絶縁油の絶縁特性を確認する診断項目を四つ挙げ、その診断項目と絶縁性能低下との関係がどのようになるかを簡潔に述べよ。
  2.  不燃性・難燃性などの防災性や環境適合性の観点から、鉱油以外の絶縁媒体を使用した油入変圧器が実用化されている。鉱油以外の絶縁媒体を二つ挙げよ。
  3.  絶縁紙の絶縁特性を向上させる方法の一つとして、油浸して気密度を上げる方法があるが、その他の方法を一つ説明せよ。
解答と解説はこちら

解答

公式標準解答

  1.  絶縁油には一般に鉱油が使用されているが、絶縁油が吸湿したり、空気に長時間さらされると絶縁性能が低下する。この場合の絶縁油の絶縁特性を確認する診断項目を四つ挙げ、その診断項目と絶縁性能低下との関係がどのようになるかを簡潔に述べよ。
    ※以下の中から四つを解答
    1. 絶縁破壊電圧
      酸化や水分量の増加、油中微粒子などにより絶縁油が劣化すると絶縁破壊電圧が低下する。
    2. 全酸価
      絶縁油の酸化劣化により有機酸が生成され全酸価が増加すると、絶縁性能が低下する。
    3. 体積抵抗率
      絶縁油が劣化するとイオン性の物質が増加し体積抵抗率が減少し、絶縁性能が低下する。
    4. 誘電正接(tanδでも正解)
      絶縁油が劣化するとイオン性の物質を生成するため誘電体損が増加し、絶縁性能が低下する。
    5. 水分量(油中水分量でも正解)
      絶縁油中の水分量が増加すると絶縁性能が低下する。
  2.  不燃性・難燃性などの防災性や環境適合性の観点から、鉱油以外の絶縁媒体を使用した油入変圧器が実用化されている。鉱油以外の絶縁媒体を二つ挙げよ。
    ※以下の中から二つを解答
    1. シリコーン油
    2. 合成エステル油
    3. 植物油
  3.  絶縁紙の絶縁特性を向上させる方法の一つとして、油浸して気密度を上げる方法があるが、その他の方法を一つ説明せよ。
    ※以下の中から一つ解答
    1. 絶縁紙の密度を上げる。
    2. 絶縁紙の含有水分量を減らす。

解説

 油入変圧器の絶縁物やその診断方法に関する問題です。類題も多く解答しやすい内容であるので、是非完答を目指したいところです。


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