電験3種過去問【2020年法規 問13】

2020年11月20日

【高調波抑制対策ガイドライン】高調波電流の計算《計算問題》

 図に示すように、高調波発生機器と高圧進相コンデンサ設備を設置した高圧需要家が配電線インピーダンスZSを介して6.6kV配電系統から受電しているとする。
 コンデンサ設備は直列リアクトルSR及びコンデンサSCで構成されているとし、高調波発生機器からは第5次高調波電流I5が発生するものとして、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
 だだし、ZS、SR、SCの基本波周波数に対するそれぞれのインピーダンスZS1ZSR1ZSC1の値は次のとおりとする。
 ZS1=j4.4Ω、ZSR1=j33Ω、ZSC1=-j545Ω

(a)系統に流出する高周波電流は高調波に対するコンデンサ設備インピーダンスと配電線インピーダンスの値により決まる。
 ZS、SR、SCの第5高調波に対するそれぞれのインピーダンスZS5ZSR5ZSC5の値[Ω]として、最も近いも
のを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  ZS5 ZSR5 ZSC5
(1) j22 j165 -j2725
(2) j9.8 j73.8 -j1218.7
(3) j9.8 j73.8 -j243.7
(4) j110 j825 -j21.8
(5) j22 j165 -j109

(b)「高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン」では需要家から系統に流出する高調波電流の上限値が示されており、6.6kV系統への第5次高調波の流出電流上限値は契約電力1kW当たり3.5mAとなっている。
 今、需要家の契約電力が250kWとし、上記ガイドラインに従うものとする。
 このとき、高調波発生機器から発生する第5次高調波電流I5の上限値(6.6kV配電系統換算値)の値[A]として、最も近いものを次の(1)~(5)から一つ選べ。
 ただし、高調波発生機器からの高調波は第5次高調波電流のみとし、その他の高調波及び記載以外のインピーダンスは無視するものとする。
 なお、上記ガイドラインの実際の適用に当たっては、需要形態による適用緩和措置、高調波発生機器の種類、稼働率などを考慮する必要があるが、ここではこれらは考慮せず流出電流上限値のみを適用するものとする。

(1)0.6 (2)0.8 (3)1.0 (4)1.2 (5)2.2

解答と解説はこちら

解答 

(a):(5)

(b):(4)

解説

(a)ZS、SR、SCの第5高調波に対するそれぞれのインピーダンスZS5ZSR5ZSC5の値[Ω]は、誘導性のものに対しては5倍、容量性のものに対しては1/5倍となる。したがって、

 ZS5=5×ZS1=5×j4.4=j22[Ω]

 ZSR5=5×ZSR1=5×j33=j165[Ω]

 ZSC5=1/5×ZSC1=1/5×(-j545)=-j109[Ω]

ZS、SR、SCの基本波周波数に対するそれぞれのインピーダンスをZS1ZSR1ZSC1とすると、第n次高調波に対するそれぞれのインピーダンスZSnZSRnZSCnの値[Ω]は、

 ZSn=n×ZS1

 ZSRn=n×ZSR1

 ZSCn=1/n×ZSC1

(b)ガイドラインに従うと、契約電力が250kWの需要家の場合、250×3.5=875[mA](0.875[A])が6.6kV系統への第5次高調波の流出上限である。

高調波発生機器は電流源であると考えることができるので、高調波発生機器から発生する第5次高調波電流の上限をI5とすると、系統へ流出する電流は0.875Aとなる。このとき、等価回路は下図のようになる。

0.875=I5×(165-109)/(22+165-109)

I5=0.875×78/56=1.22[A]