電験2種過去問【2021年理論 問3】

【電気回路】重ね合わせの理による計算《空所問題》

 次の文章は、直流回路に関する記述である。文中の\(\fbox{空白個所}\)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
 図の直流回路において、重ね合わせの理を用いて抵抗R5を流れる電流Iについて解析する。ただし、抵抗R5に流れる電流の正方向を図中の節点PからQの向きとする。
 重ね合わせの理は、\(\fbox{(1)}\)回路において成立する定理である。図の回路において、電圧源を残して電流源を取り除いた回路を考え、抵抗R5に流れる電流Iaを求めれば、Ia=\(\fbox{(2)}\)Aとなる。このとき、電流源は\(\fbox{(3)}\)除去されている。
 次に、図の回路において、電流源を残して電圧源を取り除いた回路を考え、抵抗R5に流れる電流Ibを求めた上で、電流IaとIbを重ね合わせれば、抵抗R5に流れる電流はI=\(\fbox{(4)}\)Aと求められる。
 また、図の回路において、電圧源の電圧を\(\fbox{(5)}\)Vとすれば、抵抗R5に流れる電流はI=0Aとなる。 

 

[問3の解答群]
(イ)短絡 (ロ)-1  (ハ)8  (ニ)6
(ホ)線形 (ヘ)-2  (ト)1  (チ)2
(リ)能動 (ヌ)非線形 (ル)接地 (ヲ)-3
(ワ)開放 (カ)3   (ヨ)4

解答と解説はこちら

解答

(1):(ホ)
(2):(チ)
(3):(ワ)
(4):(ト)
(5):(ニ)

解説

 図の直流回路において、重ね合わせの理を用いて抵抗R5を流れる電流Iについて解析する。ただし、抵抗R5に流れる電流の正方向を図中の節点PからQの向きとする。
 重ね合わせの理は、\(\fbox{線形}\)回路において成立する定理である。図の回路において、電圧源を残して電流源を取り除いた回路を考え(このとき、電流源は\(\fbox{開放}\)除去されている)、抵抗R5に流れる電流Iaを求める。

電流源を取り除いた後の、電圧源からみたPQ間の合成抵抗は、

\(\displaystyle R_{245}=(R_2+R_4)//R_5= \frac{(R_2+R_4)R_5}{(R_2+R_4)+R_5}=\frac{4}{4}=1\text{[Ω]}\)

電圧源の電圧をV[V]としたとき、PQ間の電圧は、

\(\displaystyle V_{PQ}=V\times\frac{R_{245}}{R_{245}+R_3}=V\times\frac{1}{3}=4\text{[V]}\)…(1)

\(\displaystyle I_{a}=\frac{V_{PQ}}{R_5}=\frac{4}{2}=2\text{[A]}\)…(2)

Ia\(\fbox{2}\)Aとなる。

 次に、図の回路において、電流源を残して電圧源を取り除いた回路を考え(このとき電圧源は短絡除去されている)、抵抗R5に流れる電流Ibを求める。

\(\displaystyle R_2\),\(\displaystyle R_3\),\(\displaystyle R_5\)の合成抵抗は

\(\displaystyle R_{235}=R_2+(R_3//R_5)= 1+1=2\text{[Ω]}\)

電流の分流則により、\(\displaystyle R_{235}\)に流れる電流は

\(\displaystyle I_{235}=-6\times\frac{R_4}{R_{235}+R_4}=-6\times\frac{1}{3}=-2\text{[A]}\)

PQ間に流れる電流\(\displaystyle I_{b}\)は、\(\displaystyle I_{235}\)に流れる電流の半分であるので

\(\displaystyle I_{b}=\frac{ I_{235}}{2}=-1\text{[A]}\)

電流IaとIbを重ね合わせれば、抵抗R5に流れる電流は

\(\displaystyle I=I_a+I_b=2-1=1\text{[A]}\)

つまりI=\(\fbox{1}\)Aと求められる。

 また、図の回路において、電圧源の電圧Vを調整して、抵抗R5に流れる電流がI=0Aとなるには、\(\displaystyle I_a=1\text{[A]}\)となるときなので、

式(1)、式(2)より

\(\displaystyle I_{a}=\frac{V\times\frac{1}{3}}{R_5}=\frac{V}{6}=1\text{[A]}\)

つまり、電圧源の電圧を\(\fbox{6}\)Vとすればよい。