// google adsence用 電験1種過去問【2021年電力 問4】 | 電気主任技術者のいろは

電験1種過去問【2021年電力 問4】

2024年4月14日

【配電】スポットネットワーク方式に関する記述《論説問題》

 次の文章は、配電系統のスポットネットワーク方式に関する記述である。文中の【   】、に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
 スポットネットワーク方式は、22kV~33kVの同一変電所から標準3回線の配電線により【(1)】で需要家に電力供給を行う方式である。この方式は、供給信頼度が高く、都市部の高層ビルや大工場などのように極めて高度に集中化した大容量負荷部に適用するもので、その他の配電方式と比べて、電圧低下、【(2)】などが少ないことが特徴として挙げられる。
 また、1回線の配電線又はネットワーク変圧器が事故停止しても、残りの変圧器の過負荷運転で最大需要電力を供給できるよう変圧器容量を選定している。ここで、変圧器の過負荷耐量としては、経済性を考慮して少なくとも定格容量の【(3)】倍とすれば、最大負荷状態でも年間数回までであれば各回8時間程度の連続運転により、健全な設備から無停電で供給を継続することができる。
 この方式では、ネットワークプロテクタが必要であり、一般的に遮断器、ヒューズ及び保護リレーから構成されており、次の三つの特性をもっている。

  • 【(4)】遮断特性
  • 【(5)】投入特性
  • 過電圧投入特性(差電圧投入特性)
[問4の解答群]
解答と解説はこちら

解答

(1):(ハ)
(2):(イ)
(3):(チ)
(4):(ヘ)
(5):(ル)

解説

 スポットネットワーク方式は、22kV~33kVの同一変電所から標準3回線の配電線により【(1)常時並列】で需要家に電力供給を行う方式である。この方式は、供給信頼度が高く、都市部の高層ビルや大工場などのように極めて高度に集中化した大容量負荷部に適用するもので、その他の配電方式と比べて、電圧低下、【(2)電力損失】などが少ないことが特徴として挙げられる。
 また、1回線の配電線又はネットワーク変圧器が事故停止しても、残りの変圧器の過負荷運転で最大需要電力を供給できるよう変圧器容量を選定している。ここで、変圧器の過負荷耐量としては、経済性を考慮して少なくとも定格容量の【(3)1.3】倍とすれば、最大負荷状態でも年間数回までであれば各回8時間程度の連続運転により、健全な設備から無停電で供給を継続することができる。

経済性を考慮した変圧器の単器容量選定方法

スポットネットワーク方式の概要 | 音声付き電気技術解説講座 | 公益社団法人 日本電気技術者協会 (jeea.or.jp)

 この方式では、ネットワークプロテクタが必要であり、一般的に遮断器、ヒューズ及び保護リレーから構成されており、次の三つの特性をもっている。

  • 【(4)逆電力】遮断特性
    • 一次側配電線が停電すると、停電しない配電線に接続された変圧器があるので、ネットワーク側から停電した配電線に接続された変圧器を介して一次側へ逆に電流が流れるので、これを遮断する機能
  • 【(5)無電圧】投入特性
    • ネットワーク側(低圧側)に電圧がかかっていない状態で、一次側配電線が充電されると閉路する機能
  • 過電圧投入特性(差電圧投入特性)
    • ネットワーク側および変圧器二次側ともに電圧があるとき、一次側配電線を充電した場合、変圧器側から負荷側に向かって電流が流れる条件にあるとき、その変圧器を並列投入する機能

 スポットネットワーク方式に関する問題です。類題も多い分野で一種としては取り組みやすい内容です。ただし、過負荷耐量は教科書通りの1.5倍ではない点や、ネットワークプロテクタの各種特性を問われている点などは、やはり一種レベルの問題です。


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