解答
(2)
解説
図の回路において、入力電圧に対する出力電圧を、一次遅れ要素の周波数伝達関数として表したとき、折れ点角周波数ωcは\(\fbox{100}\)rad/sである。ゲイン特性は、ωcよりも十分低い角周波数ではほぼ一定の\(\fbox{0}\)dBであり、ωcよりも十分高い角周波数では、角周波数が10倍になるごとに\(\fbox{20}\)dB減少する直線となる。また、位相特性は、ωcよりも十分高い角周波数でほぼ一定の\(\fbox{90}\)°の遅れとなる。
(ア)折れ点角周波数ωc[rad/s]は、時定数τの逆数となる。
\(\displaystyle ω_c=\frac{1}{τ}\)
一次遅れ要素の時定数\(\displaystyle τ=RC\)であるので
\(\displaystyle ω_c=\frac{1}{RC}=\frac{1}{10\times 0.001}=100\)
入力電圧を\(\displaystyle \dot{E}_i(jω)\)、出力電圧を\(\displaystyle \dot{E}_o(jω)\)とすると、
\(\displaystyle \dot{E}_o(jω)=\frac{\frac{1}{jωC}}{R+\frac{1}{jωC}}\dot{E}_i(jω)\)
\(\displaystyle =\frac{1}{1+jωCR}\dot{E}_i(jω)\)
周波数伝達関数G(jω)は以下で与えられるので、
\(\displaystyle G(jω)=\frac{\dot{E}_o(jω)}{\dot{E}_i(jω)}\)
\(\displaystyle =\frac{1}{1+jωCR}\)
デシベルを単位としたゲインG[dB]は以下で与えられる。
\(\displaystyle G=20\log_{10}|G(jω)|\)
したがって、
\(\displaystyle =20\log_{10}|\frac{1}{1+jωCR}|\)
\(\displaystyle =20\log_{10}\frac{1}{\sqrt{1^2+(ωCR)^2}}\)
\(\displaystyle =20\log_{10}\frac{1}{\sqrt{1+(ωCR)^2}}\)
ここで、時定数\(\displaystyle τ=RC\)であるので
\(\displaystyle G=20\log_{10}\frac{1}{\sqrt{1+(ωτ)^2}}\)[dB]
(イ)ωcよりも十分低い角周波数ω=0では
\(\displaystyle G=20\log_{10}1=0\)[dB]
(ウ)\(\displaystyle ω_c=\frac{1}{τ}\)よりも十分高い角周波数\(\displaystyle ω_{10}=\frac{10}{τ}\)では
\(\displaystyle G_{10}=20\log_{10}\frac{1}{\sqrt{1+(ωτ)^2}}\)
\(\displaystyle =20\log_{10}\frac{1}{\sqrt{1+(10)^2}}=-20\)[dB]
その10倍の角周波数\(\displaystyle 10ω_{10}=\frac{100}{τ}\)では
\(\displaystyle G_{100}=20\log_{10}\frac{1}{\sqrt{1+(100)^2}}=-40\)[dB]
角周波数ωは10倍になるごとに20dB減少する。
(エ)周波数伝達関数G(jω)の位相角θは
\(\displaystyle G(jω)=\frac{1}{1+jωCR}\)
\(\displaystyle =\frac{1-jωCR}{(1+jωCR)(1-jωCR)}\)
\(\displaystyle =\frac{1-jωCR}{1+(ωCR)^2}\)
\(\displaystyle =\frac{1}{1+(ωCR)^2}(1-jωCR)\)
であるので、\(\displaystyle 1-jωCR\)の複素数部について考えると
\(\displaystyle \cos\theta=\frac{1}{\sqrt{1+(ωCR)^2}}\)
ω→∞とすると、
\(\displaystyle \cos\theta=\frac{1}{\sqrt{1+(ωCR)^2}}≒\frac{1}{∞}=0\)
\(\displaystyle \theta=\cos^{-1}0=±90°\)
\(\displaystyle 1-jωCR\)の複素数は遅れであるので
\(\displaystyle \theta=-90°\)
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