解答
公式標準解答
(1)この負荷から発生する第5高調波電流の大きさを440V 基準で 20A とすると、6.6kV の電源側に流出する第5高調波電流は何 A か。
10MV・A基準で、回路各部の%リアクタンスを単位法[p.u.]で表すと、電源側のリアクタンスは、
\(\displaystyle X_S=\frac{j20%}{100%}=j0.2p.u.\)
力率改善コンデンサの設備リアクタンスは、
\(\displaystyle X_{SC}=-j\frac{10MV・A}{0.2Mvar}=-j50p.u.\)
コンデンサ単体のリアクタンスは、
\(\displaystyle X_C=X_{SC}×\frac{Q_C}{Q}=-j50×\frac{213kvar}{200kvar}=-j53.25p.u.\)
直列リアクトル単体のリアクタンスは、
\(\displaystyle X_R=-X_{SC}×\frac{Q_R}{Q}=j50×\frac{13kvar}{200kvar}=j3.25p.u.\)
よって、電源側に流出する第5高調波電流は、
\(\displaystyle I_{S5}=20×\frac{0.44}{6.6}×\frac{5X_R+\frac{X_C}{5}}{5X_S+5X_R+\frac{X_C}{5}}\)
\(\displaystyle =20×\frac{0.44}{6.6}×\frac{5×j3.25-j\frac{53.25}{5}}{5×j0.2+5×j3.25-j\frac{53.25}{5}}\)
\(\displaystyle =20×\frac{0.44}{6.6}×\frac{5.6}{6.6}=1.1313A\)
1.13A…(答)
(2)力率改善用コンデンサ設備を6.6kV 母線から切り離し、定格電圧を 440V に変更した上で、図の点線で示すように 440V 母線に設置した場合、6.6kV 電源側に流出する第5高調波電流は何 A か。
ただし、力率改善用コンデンサ設備のコンデンサ容量及び直列リアクトル容量は変えないものとする。
10MV・A基準で、変圧器のリアクタンスは、
\(\displaystyle X_T=j5%×\frac{10MV・A}{0.5MV・A}=j1p.u.\)
よって、電源側に流出する第5高調波電流は、
\(\displaystyle I_{SS5}=20×\frac{0.44}{6.6}×\frac{5X_R+\frac{X_C}{5}}{5X_S+5X_R+\frac{X_C}{5}+5X_T}\)
\(\displaystyle =20×\frac{0.44}{6.6}×\frac{5×j3.25-j\frac{53.25}{5}}{5×j0.2+5×j3.25-j\frac{53.25}{5}+5×j1}\)
\(\displaystyle =20×\frac{0.44}{6.6}×\frac{5.6}{11.6}=0.64368A\)
0.644A…(答)
解説
力率改善コンデンサ接続時の高調波電流値を求める問題で、過去の類題も多く解答しやすい問題です。一種の問題としては易しい部類なので確実に得点源としたい問題です。リアクタンスを基本波→第5高調波へ変換し忘れないようにしましょう。
難易度2(★★☆☆☆)
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