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電験3種過去問【2021年理論 問7】

2023年9月22日

【電気回路】可変抵抗で消費される最大電力《計算問題》

 図のように、起電力E[V]、内部抵抗r[Ω]の電池n個と可変抵抗R[Ω]を直列に接続した回路がある。この回路において、可変抵抗R[Ω]で消費される電力が最大になるようにその値[Ω]を調整した。このとき、回路に流れる電流Iの値[A]を表す式として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) \displaystyle \frac{E}{r}

(2) \displaystyle \frac{nE}{(\frac{1}{n}+n)r}

(3) \displaystyle \frac{nE}{(1+n)r}

(4) \displaystyle \frac{E}{2r}

(5) \displaystyle \frac{nE}{r}

解答と解説はこちら

解答

(4)

解説

回路に流れる電流I[A]は

\displaystyle I=\frac{nE}{R+nr}\text{[A]}

可変抵抗R[Ω]で消費される電力P[W]は

\displaystyle P=I^2R=\left(\frac{nE}{R+nr}\right)^2R

\displaystyle =\frac{R(nE)^2}{(R+nr)^2}

\displaystyle =\frac{R(nE)^2}{R^2+2Rnr+(nr)^2}

\displaystyle =\frac{(nE)^2}{R+2nr+\frac{(nr)^2}{R}}

上式の分母が最小になるとき、P[W]は最大となる。

つまり、分母をRの変数となる関数f(R)とおくと、

関数f(R)が最小になるとき、P[W]は最大となる。

\displaystyle f(R)=R+2nr+\frac{(nr)^2}{R}

\displaystyle R=(\sqrt{R})^2として変形すると、

\displaystyle f(R)=(\sqrt{R})^2+2nr+\left(\frac{nr}{\sqrt{R}}\right)^2

\displaystyle (a-b)^2の形となる数式に変形すると、

\displaystyle f(R)=\left(\sqrt{R}-\frac{nr}{\sqrt{R}}\right)^2+4nr

\displaystyle \left(\sqrt{R}-\frac{nr}{\sqrt{R}}\right)^2=0となるとき、関数f(R)が最小になるので

\displaystyle \sqrt{R}-\frac{nr}{\sqrt{R}}=0で、関数f(R)は最小となる。つまり

\displaystyle \sqrt{R}=\frac{nr}{\sqrt{R}}

\displaystyle R=nr

★相加平均・相乗平均比較法はこちら

★相加相乗平均比較法で\displaystyle f(R)=R+2nr+\frac{(nr)^2}{R}が最小となる条件を求める

a>0,b>0では相加平均\displaystyle \frac{a+b}{2}は、相乗平均\displaystyle \sqrt{ab}より常に大きく、

\displaystyle \frac{a+b}{2}≧\sqrt{ab}

\displaystyle a+b≧2\sqrt{ab}

等号はa=bのときに成り立つ。

つまり、変数f(X)=a+bは\displaystyle a=X,b=\frac{1}{X}の形をとれば

a=bのときに、つまり、\displaystyle X=\frac{1}{X}のときにf(X)は最小値となる。

ここで、\displaystyle R+\frac{(nr)^2}{R}が最小であれば、f(R)は最小であるので、

\displaystyle R=\frac{(nr)^2}{R}のときに、f(R)は最小となる。つまり

\displaystyle R^2=(nr)^2

\displaystyle R=nr

★微分法はこちら

★微分法で\displaystyle f(R)=R+2nr+\frac{(nr)^2}{R}が最小となる条件を求める

関数f(R)は\displaystyle R\displaystyle \frac{1}{R}の合成であるので、

R>0では、Rが大きくなるにつれて、

f(R)は∞から最小値へ向かい、最小値からRに比例する関数に近づくように増加する。

関数f(R)を微分すると

\displaystyle f'(R)=1-\frac{(nr)^2}{R^2}

関数f’(R)=0は、f(R)の傾きが0となる点、すなわち最小値を示すので

\displaystyle f'(R)=1-\frac{(nr)^2}{R^2}=0

\displaystyle \frac{(nr)^2}{R^2}=1

\displaystyle R^2=(nr)^2

\displaystyle R=nr

つまり、R=nr[Ω]のとき、消費電力P[W]は最大となる。このときの電流I[A]は

\displaystyle I=\frac{nE}{R+nr}\text{[A]}

上式に、R=nr[Ω]を代入して

\displaystyle I=\frac{nE}{nr+nr}=\frac{nE}{2nr}=\frac{E}{2r}\text{[A]}

※相加相乗平均については電験頻出の最小値を求めるパターンで解説しています。