電験3種過去問【2018年機械 問3】

2021年2月7日

【誘導機】誘導電動機の二次電流《計算問題》

 定格出力11.0kW、定格電圧220Vの三相がご形誘導電動機が定トルク負荷に接続されており、定格電圧かつ定格負荷において滑り3.0%で運転されていたが、電源電圧が低下し滑りが6.0%で一定となった。滑りが一定となったときの負荷トルクは定格電圧のときと同じであった。このとき、二次電流の値は定格電圧のときの何倍となるか。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし、電源周波数は定格値で一定とする。

(1)0.50 (2)0.97 (3)1.03 (4)1.41 (5)2.00
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解答

(4)

解説

誘導電動機のトルクT[N・m]は、二次入力(同期ワット)P2[W]に比例する。ns[rpm]を誘導機電動機の同期速度とすると、トルクと二次入力の関係は次式となる。

$$T= \frac{60}{2 \pi n_s} P_{2}=KP_2 [W]$$

題意より、電源周波数は定格値で一定であるので、同期速度nsは一定であり、トルクは二次入力に比例する。

誘導電動機の1相分の簡易等価回路は上図のようになる。

簡易等価回路において、二次入力\(P_{2}=I_1’^2 \frac{r_2′}{s}[W]\)であたえられる。

定格電圧のときの二次入力\(P_{2(s=0.03)}=I_{1(s=0.03)}’^2 \frac{r_2′}{0.03}[W]\)

電源電圧が低下したときの二次入力\(P_{2(s=0.06)}=I_{1(s=0.06)}’^2 \frac{r_2′}{0.06}[W]\)

電源電圧が変化する前後で、負荷トルクが一定であるので、二次入力\(P_{2(s=0.03)}=P_{2(s=0.06)}\)である。

すなわち、$$I_{1(s=0.03)}’^2 \frac{r_2′}{0.03}=I_{1(s=0.06)}’^2 \frac{r_2′}{0.06}$$

$$ \left( \frac{I_{1(s=0.06)}’}{I_{1(s=0.03)}’} \right)^2= \frac{0.06}{0.03}=2$$

$$ \frac{I_{1(s=0.06)}’}{I_{1(s=0.03)}’}= \sqrt{2}=1.41$$

二次電流I2と一次負荷電流I1‘の関係は、一次巻線と二次巻線の巻き数比をαとするとI1‘=I2/αで与えられる。つまり一次負荷電流の比は、二次電流の比と等しいので、定格電圧での二次電流に対する電圧低下時の二次電流は1.41倍となる。