解答
(a):(5)
(b):(3)
解説
(a)進相コンデンサ設備を高圧電路に接続したとき、1相分は下図のような回路になる。
※1相分の電圧は\displaystyle \frac{6600}{\sqrt3}[V]であるが、1相分の計算後に線間電圧に戻す(\displaystyle \times\sqrt3倍する)ため、簡単のため6600Vとした

SCの端子電圧VC[V]を求める。題意より、XL[Ω]はXC[Ω]の6%であるので、
XL=0.06XC
進相コンデンサ設備の合成リアクタンス\displaystyle \dot{X}_{LC}[Ω]は、
\displaystyle \dot{X}_{LC}=\dot{X}_{L}+\dot{X}_{C}=jX_L-jX_C
\displaystyle =j0.06X_C-jX_C=-j0.94X_C[Ω]
進相コンデンサを流れる電流\displaystyle \dot{I}_{LC}[A]は、
\displaystyle \dot{I}_{LC}=\frac{\dot{V}}{\dot{X}_{LC}}
\displaystyle =\frac{6600}{-j0.94X_C}=j\frac{6600}{0.94X_C}[A]
求めるSCの端子電圧\displaystyle \dot{V}_{C}[V]は、
\displaystyle \dot{V}_{C}=\dot{X}_{C}\times\dot{I}_{LC}
\displaystyle =-jX_{C}\times j\frac{6600}{0.94X_C}
\displaystyle =\frac{6600}{0.94}=7021[V]
それぞれの、電流と電圧の関係は下図のようになる。

(b)有効電力300kWで遅れ力率0.6のとき、皮相電力は300/0.6=500[kVA]となる。このときの無効電力は\displaystyle \sqrt{500^2-300^2}=400[kVar]となる。
有効電力300kWで遅れ力率0.8に改善したとき、皮相電力は300/0.8=375[kVA]となる。このときの無効電力は\displaystyle \sqrt{375^2-300^2}=225[kVar]となる。
これらの関係は下図のようになる。

上図のように、力率0.6から0.8へ改善するには、400-225=175[kVar]の無効電力が進相コンデンサから供給されている。
前問(a)のベクトル図からわかるように、VLとVCは逆向き(VL<VC)である。\displaystyle V_C-V_Lによって供給される無効電力が175[kVar]となるので、コンデンサSCの容量QSC[kVar]との比は、その電圧の比と等しい。
\displaystyle \frac{175}{Q_{SC}}=\frac{V_C-V_L}{V_C}
\displaystyle =\frac{6600}{7021}
\displaystyle Q_{SC}=175\times\frac{7021}{6600}=186
QSC=186[kVar]
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