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電験3種過去問【2023年(下期)電力 問13】

2025年1月9日

【配電】単相配電線路の電力損失計算《計算問題》

 単相2線式及び単相3線式の線路での電力損失について,次の問に答えよ。
 下図のように,単相100Vの抵抗負荷に単相2線式及び単相3線式の低圧配電方式で送電する。負荷の総容量は同一であり,3線式の場合,負荷は図のように線間に均等分割されるものとする。単相2線式での線路の抵抗損を1とすると,単相3線式の線路の抵抗損は\frac{1}{5}であった。このとき,単相2線式での線路の1線当たりの抵抗に対して,単相3線式での線路の1線当たりの抵抗はどのような大きさとなるか。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 0.27倍
(2) 0.4倍
(3) 0.53倍
(4) 0.8倍
(5) 1.25倍

解答と解説はこちら

解答

(4)が正しい。

解説

 単相2線式での1線あたりの抵抗を r₂ [Ω] とする。このとき、流れる電流 I₂ [A] は、
\displaystyle I_2=\frac{P_L}{100}[A]
 単相2線式での線路の抵抗損 PL2 [W]は
\displaystyle P_{L2}=2\times I_2^2 r_2=\frac{P_L^2 r_2}{5000}[W]

 単相3線式での1線あたりの抵抗を r₃ [Ω] とする。このとき、流れる電流 I₃ [A] は、
\displaystyle I_3=\frac{\frac{P_L}{2}}{100}[A]
 単相3線式での線路の抵抗損 PL3 [W]は
\displaystyle P_{L3}=2\times I_3^2 r_3=\frac{P_L^2 r_3}{20000}[W]
※中性線に流れる電流I₃は、正方向と逆方向に流れるため互いに打ち消し合い零となる。

 一方で、題意より、 PL3=\frac{1}{5}PL2 [W]であるので、
\displaystyle \frac{P_L^2 r_3}{20000}=\frac{1}{5}\times\frac{P_L^2 r_2}{5000}
\displaystyle r_3=\frac{4}{5}r_2=0.8r_2[Ω]

したがって、単相2線式での線路の1線当たりの抵抗に対して,単相3線式での線路の1線当たりの抵抗は0.8倍となる。

追加学習は配電の学習帳

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