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電験3種過去問【2023年(上期)電力 問13】

2024年1月15日

【変電所】並行運転変圧器の負荷分担と過負荷率《計算問題》

 一次側定格電圧と二次側定格電圧がそれぞれ等しい変圧器 A と変圧器 B がある。変圧器 A は、定格容量 SA=5000 kV・A、パーセントインピーダンス %ZA=9.0 %(自己容量ベース)、変圧器 B は、定格容量 SB=1500 kV・A、パーセントインピーダンス %ZB=7.5 %(自己容量ベース)である。この変圧器 2 台を並行運転し、6000 kV・A の負荷に供給する場合、過負荷となる変圧器とその変圧器の過負荷運転状態 [%](当該変圧器が負担する負荷の大きさをその定格容量に対する百分率で表した値)の組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

\(\small{\begin{array}{cccc} &過負荷となる変圧器&過負荷運転状態[%]\\ \hline(1)&変圧器A&101.5\\ \hline(2)&変圧器B&105.9\\ \hline(3)&変圧器A&118.2\\ \hline(4)&変圧器B&137.5\\ \hline(5)&変圧器A&173.5\\ \hline\end{array}}\)
解答と解説はこちら

解答

(2)が正しい。

解説

パーセントインピーダンスの基準容量換算

異なった容量を基準とした単位法では、容量に応じた換算が必要であり、容量\(P_B\)[V・A]を基準とした単位法でのインピーダンス\(Z_{Bpu}\)[p.u.]は、容量\(P_{R}\)[V・A]を基準とした単位法でのインピーダンス\(Z_{Rpu}\)[p.u.]を用いて次式により求められる
 \(Z_{Bpu}=\displaystyle Z_{Rpu}\times\frac{P_B}{P_R}\)[p.u.]

 基準容量を負荷に供給する電力6000 kV・A とすると、基準容量換算した変圧器 A , B のパーセントインピーダンスは
\(Z_{Ab}=\displaystyle Z_{A}\times\frac{6000}{5000}=10.8\)[%]
\(Z_{Bb}=\displaystyle Z_{B}\times\frac{1500}{6000}=30\)[%]
基準容量は6000 kV・A で供給電力と等しいので、負荷電流は100[%]である。
負荷電流は各変圧器のパーセントインピーダンス(基準容量換算)の逆比で分流する。
従って、変圧器 A , B に流れる電流はそれぞれ、
\(I_{Ab}=\displaystyle 100\times\frac{30}{10.8+30}=73.53\)[%]
\(I_{Bb}=\displaystyle 100\times\frac{10.8}{10.8+30}=26.47\)[%]
以上より、変圧器 A と変圧器 B がそれぞれ負担する電力は、
\(P_{A}=\displaystyle 6000\times\frac{73.53}{100}=4412\)[kVA]
\(P_{B}=\displaystyle 6000\times\frac{26.47}{100}=1588\)[kVA]

各変圧器が定格容量に対して負担する電力の比(負荷率)は
\(P_{A%}=\displaystyle \frac{4412}{5000}\times100=88.24\)[%]
\(P_{B%}=\displaystyle \frac{1588}{1500}\times100=105.9\)[%]
よって、過負荷となる変圧器はAで、負荷率は105.9%となる。

追加学習は変電所の学習帳

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