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電験3種過去問【2022年(下期)電力 問15】

2024年1月16日

【火力発電】汽力発電所の復水器損失とタービン効率《計算問題》

 復水器での冷却に海水を使用する汽力発電所が出力 600 MW で運転しており、復水器冷却水量が 24 m³/s 、冷却水の温度上昇が 7 ℃ であるとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
 ただし、海水の比熱を 4.02 kJ/(kg・K)、密度を 1.02×10³kg/m³、発電効率を 98 % とする。

(a) 復水器で海水へ放出される熱量の値[kJ/s]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)4.25×10⁴ 
(2)1.71×10⁵ 
(3)6.62×10⁵ 
(4)6.89×10⁵ 
(5)8.61×10⁵ 

(b) タービン室効率の値[%] として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
 ただし、条件を示していない損失は無視できるものとする。

(1)41.5 
(2)46.5 
(3)47.0 
(4)47.5 
(5)48.0 

解答と解説はこちら

解答

(a):(4)が正しい。
(b):(2)が正しい。

解説

(a) 復水器で海水へ放出される熱量の値[kJ/s]を求める。

復水器冷却水流量

復水器冷却水の流量Q[m3/s]のとき、海水の比熱容量をC[kJ/(kg・K)]、海水の密度をρ[kg/m3]とすると、冷却水の温度がθ[K]上昇したとき、1秒間あたりに冷却水が奪う熱量Wは以下となる。

\(\displaystyle W=QθCρ\text{[kJ/s]}\)

復水器冷却水量が 24 m³/s 、海水の密度が 1.02×10³kg/m³なので、1秒間に復水器を流れる水の質量は
M = 24×1.02×10³ = 24.48×10³ [kg/s]
題意より、冷却水の温度上昇が 7 ℃( K ) で、海水の比熱は 4.02 kJ/(kg・K)であるので、復水器で冷却水へ放出される熱量は、
QL = 24.48×10³×4.02×7 = 688.9×10³ [kJ/s]

(b) タービン室効率の値[%] を求める。

タービン効率

タービン効率ηT[%]は、タービンに供給されるエネルギーWTi[kJ]とタービン出力エネルギーWTo[kJ]の比で表される。

\(\displaystyle η_T=\frac{W_{To}}{W_{Ti}}\times100\text{[%]}\)

題意以外の損失は無視できるので、タービン効率ηT[%]は、
\(\displaystyle η_T=\frac{W_{To}}{W_{Ti}}\times100\)
\(\displaystyle  =\frac{600\times 10^3}{600\times 10^3+ 688.9\times 10^3}\times100\)
\(\displaystyle  =46.55\)[%]
となる。
※\(W_{To}=600\text{[MW]}=600\times 10^3\text{[kJ/s]}\)


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