解答
解説
図1の回路において、負荷の抵抗はR=3Ω、有効電力Pは600W、力率は0.6である。また、電源の角周波数はωである。
この負荷の無効電力Qを求める。
力率\(\displaystyle \cos\theta =0.6=\frac{600}{S}\)であるので、
\(\displaystyle S=1000\) [VA]
\(\displaystyle S^2=P^2+Q^2\)であるので、
\(\displaystyle Q^2=S^2-P^2=1000^2-600^2=640000\)
\(\displaystyle Q=800\) [Var]
この負荷の無効電力は\(\fbox{(ル)800}\)var
負荷のリアクタンスを求めると、
\(\displaystyle R:\omega L=P:Q\)であるので
\(\displaystyle \omega L=\frac{RQ}{P}\)
\(\displaystyle =\frac{3\times800}{600}=4\)
ωL=\(\fbox{(ヌ)4}\)Ωである。
図2のように、図1の回路の端子a-bにキャパシタCを接続すると、電源からみた回路の合成負荷のアドミタンスは\(\displaystyle \dot{Y}=\frac{R}{R^2+(\omega L)^2}+j\left(\omega C-\frac{\omega L}{R^2+(\omega L)^2}\right)\)となる。
図2において電源から見た回路の合成負荷の力率を1とした。このとき、キャパシタCのサセプタンスは、\(\displaystyle \omega C-\frac{\omega L}{R^2+(\omega L)^2}=0\)であるから
\(\displaystyle \omega C=\frac{\omega L}{R^2+(\omega L)^2}\)
\(\displaystyle =\frac{4}{3^2+4^2}\)
ωC=\(\fbox{(イ)0.16}\)Sである。
キャパシタCを接続して合成負荷の力率を1にした後に、電源の角周波数ωを\(\displaystyle \frac{1}{2}\)倍にすると、電源からみた回路の合成負荷\(\displaystyle \dot{Y}\)は、
\(\displaystyle \dot{Y}=\frac{R}{R^2+(\frac{1}{2}\omega L)^2}+j\left(\frac{1}{2}\omega C-\frac{\frac{1}{2}\omega L}{R^2+(\frac{1}{2}\omega L)^2}\right)\)
\(\displaystyle =\frac{3}{3^2+(\frac{1}{2}\times4)^2}+j\left(\frac{1}{2}\times0.16-\frac{\frac{1}{2}\times4}{3^2+(\frac{1}{2}\times4)^2}\right)\)
\(\displaystyle =0.231-j0.071\)
つまり\(\displaystyle \tan\theta =\frac{-0.071}{0.231}\)であり、
\(\displaystyle \tan^2\theta+1 =\frac{1}{\cos^2\theta}\)より
\(\displaystyle \cos\theta =0.952\)
回路側からみた合成負荷は、\(\displaystyle \dot{Y}=0.231-j0.071\)であるので、
\(\displaystyle \dot{Z}=\frac{1}{0.231-j0.071}\)
\(\displaystyle =\frac{0.231+j0.071}{(0.231+j0.071)(0.231-j0.071)}\)
\(\displaystyle =\frac{0.231+j0.071}{0.058}\)
つまり、力率\(\fbox{(ワ)0.952}\)の\(\fbox{(チ)誘導性}\)負荷となる。
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