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電験2種過去問【2018年機械 問6】

2022年8月23日

【電気化学】アルカリマンガン乾電池の化学変化《空所問題》

 次の文章は、アルカリマンガン乾電池に関する記述である。文中の\(\fbox{空所欄}\)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
 アルカリマンガン乾電池は負極に亜鉛粉、正極に\(\fbox{(1)}\)、電解液に\(\fbox{(2)}\)水溶液を用いた公称電圧1.5Vの一次電池である。あるアルカリマンガン乾電池を1000mAの定電流でセル電圧が所定の終止電圧になるまで放電したとき、通電電気量が6000mA・h、電力量が6.60W・hであった。このとき、放電に要した時間は\(\fbox{(3)}\)h、平均電圧は\(\fbox{(4)}\)Vとなる。放電で水酸化亜鉛(Zn(OH)2)のみが生成されるとすると、その質量は\(\fbox{(5)}\)gである。ただし、亜鉛、酸素及び水素の原子量をそれぞれ65.38、16.00及び1.01、ファラデー定数を26.80A・h/molとする。

[問6の解答群]

\(\small{\begin{array}{ccc}
(イ)&二酸化マンガン&(ロ)&22.2&(ハ)&1.2\\
(ニ)&塩化アンモニウム&(ホ)&1.1&(ヘ)&6\\
(ト)&11.1&(チ)&8&(リ)&マンガン\\
(ヌ)&硫酸&(ル)&4&(ヲ)&水酸化カリウム\\
(ワ)&1.5&(カ)&5.55&(ヨ)&マンガン錯体\\
\end{array}}\)

解答と解説はこちら

解答

\(\small{\begin{array}{cc}
\hline(1)&(イ)&二酸化マンガン\\
\hline(2)&(ヲ)&水酸化カリウム\\
\hline(3)&(ヘ)&6\\
\hline(4)&(ホ)&1.1\\
\hline(5)&(ロ)&22.2\\
\hline\end{array}}\)

解説

 アルカリマンガン乾電池は負極に亜鉛粉、正極に\(\fbox{(イ)二酸化マンガン}\)、電解液に\(\fbox{(ヲ)水酸化カリウム}\)水溶液を用いた公称電圧1.5Vの一次電池である。

 あるアルカリマンガン乾電池を1000mAの定電流でセル電圧が所定の終止電圧になるまで放電したとき、通電電気量が6000mA・h、電力量が6.60W・hであった。

 このとき、放電に要した時間は\(\displaystyle\frac{6000mA・h}{1000mA}=\fbox{(ヘ)6}\)h、平均電圧は\(\displaystyle\frac{6.6W・h}{6h\times 1000mA}=\fbox{(ホ)1.1}\)Vとなる。

 亜鉛、酸素及び水素の原子量をそれぞれ65.38、16.00及び1.01、ファラデー定数を26.80A・h/molとすると、通電電気量が6000mA・hであるので、放電で水酸化亜鉛(Zn(OH)2)のみが生成されるとすると、その物質量は、

 \(\displaystyle\frac{6000\times10^{-3}}{26.80}=0.224\)[mol]

(Zn(OH)2)の物質量が0.224[mol]であるとき、その質量は

\(\displaystyle\left(65.38+2\times(16.00+1.01)\right)\times0.224=\fbox{(ロ)22.2}\)gである。