// google adsence用 電験2種過去問【2019年法規 問7】 | 電気主任技術者のいろは

電験2種過去問【2019年法規 問7】

2022年5月8日

【電気施設管理】電力需要の分析《空所問題》

 次の文章は、電力需要の分析に関する記述である。文中の\(\fbox{空所欄}\)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

  1.  時々刻々変動する負荷の特性を表すために、横軸に時間(日・週・旬・月・年)を、縦軸に需要電力をとって表示した曲線がよく使用される。この他に、日・週・旬・月・年を対象とする期間の電力需要について、その発生した時間とは無関係に大きい順に並び替えた曲線のことを\(\fbox{(1)}\)といい、負荷の特性を分析・調査するために使用される。
  2.  需要率は、最大需要電力の\(\fbox{(2)}\)に対する割合であり、過負荷使用の場合を除き、一般に1より小さい値となる。
  3.  供給する電力量が一定の場合、最大需要電力が大きいほど負荷率が低下して\(\fbox{(3)}\)は低くなる。
  4.  需要家A、需要家B及び需要家Cの三つの需要家に電力を供給している。それぞれの最大需要電力は940kW、1180kW、1540kWである。需要家Aの年間使用電力量が4900MW・hであるとき、その年負荷率は\(\fbox{(4)}\)%である。また、三つの需要家相互間の不等率が1.20であるとき、合成最大需要電力は\(\fbox{(5)}\)kWである。ただし、1年は365日、需要家A、需要家B及び需要家Cの力率はいずれも1.0とする。

[問7解答群]

\(\small{\begin{array}{ccc}
(イ)&3050     &(ロ)&59.5     &(ハ)&45.8  \\
(ニ)&負荷頻度曲線&(ホ)&設備利用率 &(ヘ)&契約電力\\
(ト)&負荷持続曲線&(チ)&電力コスト &(リ)&負荷曲線\\
(ヌ)&全設備容量 &(ル)&ピーク供給力&(ヲ)&1460  \\
(ワ)&平均電力  &(カ)&19.1     &(ヨ)&4390  \\
\end{array}}\)

解答と解説はこちら

解答

\(\small{\begin{array}{cc}
\hline(1)&(ト)&負荷持続曲線\\
\hline(2)&(ヌ)&全設備容量 \\
\hline(3)&(ホ)&設備利用率 \\
\hline(4)&(ロ)&59.5     \\
\hline(5)&(イ)&3050     \\
\hline\end{array}}\)

解説

  1.  時々刻々変動する負荷の特性を表すために、横軸に時間(日・週・旬・月・年)を、縦軸に需要電力をとって表示した曲線がよく使用される。この他に、日・週・旬・月・年を対象とする期間の電力需要について、その発生した時間とは無関係に大きい順に並び替えた曲線のことを\(\fbox{(ト)負荷持続曲線}\)といい、負荷の特性を分析・調査するために使用される。
  2.  需要率は、最大需要電力の\(\fbox{(ヌ)全設備容量}\)に対する割合であり、過負荷使用の場合を除き、一般に1より小さい値となる。
  3.  供給する電力量が一定の場合、最大需要電力が大きいほど負荷率が低下して\(\fbox{(ホ)設備利用率}\)は低くなる。
  4.  需要家A、需要家B及び需要家Cの三つの需要家に電力を供給している。それぞれの最大需要電力は940kW、1180kW、1540kWである。需要家Aの年間使用電力量が4900MW・hであるとき、その年負荷率は\(\fbox{(ロ)59.5}\)%である。また、三つの需要家相互間の不等率が1.20であるとき、合成最大需要電力は\(\fbox{(イ)3050}\)kWである。ただし、1年は365日、需要家A、需要家B及び需要家Cの力率はいずれも1.0とする。

(1)電力の使われ方・負荷特性

 横軸に時間を、縦軸に需要電力をとって表示した曲線を、日負荷曲線という。

 この他に、日・週・旬・月・年を対象とする期間の電力需要について、その発生した時間とは無関係に大きい順に並び替えた曲線のことを負荷持続曲線という。

(2)需要率

\(\displaystyle 需要率=\frac{最大電力}{設備容量}\)

(3)設備利用率

\(\displaystyle 設備利用率=\frac{平均電力}{設備容量}\)

すなわち、

\(\displaystyle 設備利用率=需要率\times負荷率\)

最大需要電力が大きくなり、負荷率が下がっても、同時に需要率も大きくなるため設備利用率は変わらない。

題意中の「最大需要電力がおおきいほど」を「設備容量を大きくする必要がある」と解釈すれば、選択肢の中では「設備利用率」が最も適切である。

(4)負荷率

需要家Aの最大需要電力は940kW。需要家Aの年間使用電力量が4900MW・hであるので、

年間平均電力\(\displaystyle P_A\)は

\(\displaystyle P_A=\frac{4900}{24\times365}=0.559\)[MW] 
\(\displaystyle P_A=559\)[kW]

\(\displaystyle 負荷率=\frac{平均電力}{最大電力}\)
\(\displaystyle =\frac{559}{940}=0.595\)

(5)不等率

\(\displaystyle 不等率=\frac{各最大電力の和}{合成最大需要電力}\)

であるので、

\(\displaystyle 合成最大需要電力=\frac{各最大電力の和}{不等率}\)
\(\displaystyle =\frac{940+1180+1540}{1.20}\)
\(\displaystyle =3050\)[kW]