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電験1種過去問【2024年電力管理 問3】

【送電】地中送電線路の電力ケーブルの送電特性《論説問題》

 地中送電線路の電力用ケーブルの送電特性について,次の問に答えよ。
(1) 電力用ケーブルにおける抵抗損以外の電力損失について2点あげ,その電力損失が大きくなり留意が必要となる状況と理由について各々50字程度以内で述べよ。
(2) 許容送電電力[MV・A]が決まる要因及び増大させる方策について200字程度以内で述べよ。
(3) 有効送電電力[MW]と限界のケーブル長の相関性について電圧が高くなるとどうなるか理由を含め50字程度以内で述べよ。また,図の線間電圧Vが66kVのケーブル長と有効送電電力の関係を踏まえて,答案用紙に印刷されている図中にVが275kVの線路の特性を概略で記載せよ。なお,どちらも許容送電電流 I=700A,静電容量C=0.3 μF/km,周波数 f=50Hz として,単位長当たりの充電電流\(I_C=\frac{2}{\sqrt{3}}\pi fCV\) [A] とする。

解答と解説はこちら

解答

公式標準解答

(1)
誘電体損 :
超高圧以上では,誘電体損が電圧の2乗に比例して大きくなるた
め,問題となる。
シース損 :
三相回路に単相ケーブルを用いると,それぞれに大きなシース損が発生し,三条合わせて用いるとさらに大きくなるため,問題となる。
(2) 電力用ケーブルは,熱的限界からくる許容電流以上に電流を流せないことから,許容送電電力は許容電流によって決まる。許容電流は絶縁体に影響を及ぼさない導体の最高許容温度によって決められ,常時許容電流,短時間許容電流,瞬時許容電流等を考慮して決められる。許容送電電力を増大させる方策は,許容電流を増やすために導体を太くする,条数を増やす,強制冷却(内部冷却,外部冷却,間接冷却)する方法がある。
(3) ある有効送電電力を送ることができる限界のケーブル長(臨界ケーブル長)が存在し,電圧が高くなるにつれて著しく短くなる。

 有効送電電力P,許容送電電力S,無効電力Qは,許容送電電流I,単位長当たりの充電電流IC,ケーブル長をLとして,

 以上から66kVでの線路の特性は,L=0kmにおける有効送電電力P=80.0MW,P=0MWにおける臨界ケーブル長L=195kmの楕円形となる。
 同様に,275kVでの線路の特性は,L=0kmにおける有効送電電力P=333MW,P=0MWにおける臨界ケーブル長L=46.8kmの楕円形となる。

解説

 電力用ケーブルの送電特性に関する問題です。一般的な内容であり、記述しやすいと思います。最後の問題が一ひねりありますが、難しいわけではありません。

難易度3(★★★☆☆)


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