// google adsence用 電験3種過去問【2014年電力 問17】 | 電気主任技術者のいろは

電験3種過去問【2014年電力 問17】

2022年4月24日

【火力発電】火力発電所の使用燃料量と二酸化炭素発生量の計算《計算問題》

 定格出力200MWの石炭火力発電所がある。石炭の発熱量は28000kJ/kg、定格出力時の発電端熱効率は36%で、計算を簡単にするため潜熱の影響は無視するものとして、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
 ただし、石炭の化学成分は重量比で炭素70%、水素他30%、炭素の原子量を12、酸素の原子量を16とし、炭素の酸化反応は次のとおりである。

\(\displaystyle C+O_2→CO_2\)

(a)定格出力にて1日運転したときに消費する燃料重量の値[t]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)222
(2)410
(3)1062
(4)1714
(5)2366

(b)定格出力にて1日運転したときに発生する二酸化炭素の重量の値[t]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)327
(2)1052
(3)4399
(4)5342
(5)6285

解答と解説はこちら

解答

(a):(4)
(b):(3)

解説

(a)定格出力にて1日運転したときに消費する燃料重量の値MF[t]を求める。

定格出力は200MWで、1日運転したときの発電端電力量の熱量QG[J]は

\(\displaystyle Q_G=200\times10^6\times24\times3600\)

\(\displaystyle =17280\times10^9\)[J]

\(\displaystyle =17280\times10^6\)[kJ]

燃料による発熱量QF[kJ]は、使用した燃料重量をMF[t]=MF×103[kg]とすると、石炭の発熱量は28000kJ/kgであるので、

\(\displaystyle Q_F=28000\times M_F\times10^3\)

\(\displaystyle =28M_F\times10^6\)[kJ]

定格出力時の発電端熱効率ηは36%であるので、

発電端熱効率ηは、発電機の発電端電力量の熱量QGと使用燃料の発生熱量QFとの比で表され、

\(\displaystyle η=\frac{Q_G}{Q_F}\times100\)[%]

\(\displaystyle 36=\frac{17280\times10^6}{28M_F\times10^6}\times100\)

\(\displaystyle ∴M_F=\frac{17280\times100}{28\times36}\)

\(\displaystyle =1714\)[t]

 

(b)定格出力にて1日運転したときに発生する二酸化炭素の重量の値MCO2[t]を求める。

全問より、定格出力にて1日運転したときに消費する燃料重量の値MF[t]は

\(\displaystyle M_F=1714\)[t]

石炭の化学成分は重量比で炭素70%、水素他30%であるので、MF[t]のうち炭素重量MC[t]は

\(\displaystyle M_C=M_F \times 0.7\)

\(\displaystyle =1199.8\)[t]

炭素の酸化反応により、次のとおり二酸化炭素が発生する。

\(\displaystyle C+O_2→CO_2\)

炭素Cの原子量は12、酸素Oの原子量は16であるので、二酸化炭素CO2の原子量は

\(\displaystyle 12+2\times16=44\)

原子の質量は、原子量に比例するので、

炭素Cの原子量12に対して、二酸化炭素CO2の原子量44が発生する。

1日の炭素消費量MC[t]より、二酸化炭素の重量の値MCO2[t]は

\(\displaystyle M_{CO_2}=M_C\times\frac{44}{12}\)

\(\displaystyle =1199.8\times\frac{44}{12}\)

\(\displaystyle =4399\)[t]